1晩2000万円も…中国人セレブが日本のセクシー女優に大熱狂
中国は性規制が厳しいため、中国産AVというのは存在しない。そのため、中国人はセクシー動画を見たいときには、ネット上に違法アップロードされている日本産のAVや、香港で制作された官能時代劇を見るのが一般的だ。
演出家兼女優の和泉さなさんは、中国における日本のセクシータレントの人気を実感したという。
「向こうでは新聞にも大きく取り上げられ、スター級の扱いでしたね。私が出演していたのは、香港で数多く制作されているセクシー路線の時代劇。日本で言うと、少しエッチなVシネみたいなもの。絡みのときも接合部をガッツリと映すわけではなくて、引きの絵の固定で撮るからそんなにエロくはないんですよ。私はAV女優ではなかったんですけど、これぐらいなら全然アリだなと思って出演を了承しました。それでも香港の女優さんたちは、そんなシーンは無理っていうので、日本のセクシー系女優に仕事が回ってくるんです」
11年の香港映画で『アバター』を抜いて興業成績トップに躍り出たのは、お色気シーンをふんだんに映した『肉蒲団』だったが、そのメインキャストを務めたのも原紗央莉や周防ゆきこなどの日本のAV女優だった。日本人の知らないところで、日本のタレントやAV女優が、中国人を熱狂させていたのだ。
中国では日本のセクシータレントバブルが起こっていた和泉さんは何度もビザを取っては日本と香港を行き来し、撮影に勤しんだ。その合間にパーティやイベント、更には、セクシー系タレントで結成したアイドル活動を行っていたという。
「イベントをやると、会場にはたくさんの客が詰め掛けてきましたよ。日本のセクシータレントってだけで、まるでハリウッドスターみたいな歓待ぶりでした。怪しいおばちゃんが寄ってきて、『社長をたくさん呼んだパーティをやるから来ない?』って誘われたこともありました。そのときはコーディネーターが慌てて飛んできて『あのおばちゃん、人買い(売春)で有名だよ』 って教えてくれました」
日本のセクシー女優と中国人富裕層を結びつけるブローカーが、中国には跋扈しているようだ。
余談だが、現在、日本のAVプロダクションの中には、中国、香港、台湾などの中華圏でのイベントに力を入れているところが多い。日本ではAVの単価が下がってきていて、数年前からAV不況とも言われているが、中華圏ではやりようによって莫大な金を稼ぐことができる。
筆者が聞いた話だと、とあるプロダクション関係者は、マカオを訪れていた中国の大富豪から「一晩2千万円で女優を抱かせてくれないか」と相談されたこともあるという。大陸の金持ちは桁違いだ。
ただし、こうした熱狂ぶりに舞い上がっていると、足元をすくわれてしまうこともある。
「香港はともかく、中国本土でのエロは違法です。日本のAV女優が出演すると大々的に銘打ってしまったため、深センのパーティに警察の手入れが入って中止になったこともありました。地元の共産党員には話をつけていたはずだったんですけど……」(和泉さん)
昨今は、特に習近平の取り締まり強化の政策もあって、地元の権力者に話をつけていても摘発が入ってしまうこともある。やはり、それ相応のリスクはあるようだ。
それでも、中華圏には、日本で得られない名誉と金、そして、いまだ日本の80年代のバブル期のようなエネルギーが充満している。今後も日本のセクシータレントたちは一攫千金を夢見て海を渡っていくことだろう。
(文/井川楊枝)