繰り上げ返済があだに…住宅ローンが引き起こす老後破産
現役時代に決して怠けていたわけではない。なのに、年金生活に入っていつの間にか貧困に。悠々自適は望むべくもないが“人並み”のささやかな暮らしからもこぼれてしまうなんてーー。いったいなぜ?老後破産の背景にはさまざまな問題が横たわっている。
老後破産につながる一つの可能性に、住宅ローンがある。不動産コンサルタントの長嶋修さんは、老後破産のリスクについて次のように解説する。
「いますでに変動金利で借りている人は金利動向に注目しましょう。アベノミクスがこのまま成功し、景気が回復すると、インフレ目標の2%が達成され、3〜4%の金利上昇もありえます。また失敗したとしても国債の信用が落ち、どのみち金利上昇が起こります。2〜3%の金利上昇で支払い不能に陥ってしまうケースもあります」
変動金利で借りている場合でも、金利上昇で急に返済額が跳ね上がるということはない。だが……。
「6年目以降の金利見直しには、どれだけ上がっても125%が返済額の上限という仕組みとなっていて、月額10万円を返済していたとしたら12万5千円。ただ、この見直しが2回続くと15万6千250円になり、かなり厳しい」
現在の住宅ローン返済に余裕のない家計は、こうした金利上昇リスクに備えられない。そういう家庭には固定金利への借り換えを検討するのも一つの手だ。では、どんな借り入れをしている人が借り換えの対象となるのだろう。
「一般的に、残金が1千万円以上、金利差1%、返済期間が10年以上残っていれば借り換えメリットがあるといわれています」
各金融機関では住宅ローン需要が頭打ちの状況ということもあり、住宅ローンの借り換えは審査して応じる方向にあるという。次にリスクとしてあげるのが、「繰上げ返済」。なかにはそれがあだとなるケースも。
「繰上げ返済には返済期間を圧縮する方法と、返済額を圧縮する方法がありますが、どちらにしても、あくまで余裕資金で実施することが大事です」
繰上げ返済に目いっぱい回したために、預貯金がほとんどないという家計がいちばん危ないと長嶋氏は指摘する。
「生活が住宅ローンの返済中心となってしまい、その間に病気や失業など不測の事態が起こったら、家計はひとたまりもないといった状態では元も子もありません。自分の身の備えをしておくことも大切です」
老後破産につながる一つの可能性に、住宅ローンがある。不動産コンサルタントの長嶋修さんは、老後破産のリスクについて次のように解説する。
変動金利で借りている場合でも、金利上昇で急に返済額が跳ね上がるということはない。だが……。
「6年目以降の金利見直しには、どれだけ上がっても125%が返済額の上限という仕組みとなっていて、月額10万円を返済していたとしたら12万5千円。ただ、この見直しが2回続くと15万6千250円になり、かなり厳しい」
現在の住宅ローン返済に余裕のない家計は、こうした金利上昇リスクに備えられない。そういう家庭には固定金利への借り換えを検討するのも一つの手だ。では、どんな借り入れをしている人が借り換えの対象となるのだろう。
「一般的に、残金が1千万円以上、金利差1%、返済期間が10年以上残っていれば借り換えメリットがあるといわれています」
各金融機関では住宅ローン需要が頭打ちの状況ということもあり、住宅ローンの借り換えは審査して応じる方向にあるという。次にリスクとしてあげるのが、「繰上げ返済」。なかにはそれがあだとなるケースも。
「繰上げ返済には返済期間を圧縮する方法と、返済額を圧縮する方法がありますが、どちらにしても、あくまで余裕資金で実施することが大事です」
繰上げ返済に目いっぱい回したために、預貯金がほとんどないという家計がいちばん危ないと長嶋氏は指摘する。
「生活が住宅ローンの返済中心となってしまい、その間に病気や失業など不測の事態が起こったら、家計はひとたまりもないといった状態では元も子もありません。自分の身の備えをしておくことも大切です」