誰でもおいしく飲める最初の一杯! 『E杏サワー』

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今までの人生、最もお酒が強かったのって大学時代でした。だってあの頃、一番飲んでたもん。体に耐性が付いてたのでしょう。
……が、今の若者は違うみたい。そんなに飲まない。居酒屋に行かない。そんな学生生活が主らしいのです。これも、時代なのかなぁ?

と思いきや、若者自身による興味深き活動を発見! 立正大学経営学部「吉田健太郎ゼミ」の学生は、なんと自分たちでお酒を開発しているらしいのです。それも、言わば“若者向けのお酒”を。
もちろん、学生だけでお酒を作れるわけがではない。彼ら、「わ・る・な・らハイサワー♪」でおなじみ博水社、そして杏のリキュール『杏露酒』を販売するキリンビールの子会社・永昌源と手を組み、お酒開発に邁進したようなのです。

では、事の経緯から。まず、永昌源が立正大学に声を掛けたことから始まりました。同社は五反田に位置し、博水社は目黒区に本社を構えることから、五反田駅近くに立地する立正大に白羽の矢が立ち、地域活性のための産学連携事業に取り組む吉田健太郎ゼミが手を挙げた形。目指すは、“若い人が地元(五反田)で飲みたくなるサワー”です。

結果、完成したのは『E杏サワー』と『ポンチサワー』という2つのドリンク。
■『E杏サワー』
「誰でもおいしく飲める最初の一杯」(ビールが苦手な人の、宴席の乾杯用に)を想定したお酒。
作り方……まず、氷を入れ、杏露酒を注ぎ、オレンジを搾る。その後にハイッピーをジョッキの取っ手の上部分くらいまで泡が立たないように注ぎ、最後は泡がきれいに立つように注いで完成!
ドリンク名の由来……五反田の「5」に着目し、アルファベット五番目の「E」と、杏子の「杏」をくっ付けた。また中国語で「イー」は“1”という意味から、“最初の一杯”の意味も込められている。

■『ポンチサワー』
「デザート感覚で飲む締めの一杯」(女性同士の友情が弾む、フルーツポンチのように楽しくて甘いお酒)
作り方……氷を入れ、ハイサワーをコップの内側から氷に当たらないように注ぐ。その後に杏露酒を入れ、マドラーで氷を下から上に持ち上げるように1かきし、みかんを上から添えるように入れて完成
ドリンク名の由来……「ポンチ」はヒンディー語で「5」という意味で、五反田の「5」と掛けた。さらに商品のイメージが“フルーツポンチ”ということから命名。

ほぼ毎日のペースで立正大生が集まり、杏露酒とハイサワーの割り方を試したり、食材を買い込んだり、試作を重ねようやく完成したというこのドリンク2種。実は、私も飲んだことがあるんです。以前、コネタにて記事にした博水社主催「倉庫飲み」にて、2つとも試飲させていただきました。
味ですか? 普通に美味しかったですよ! 『E杏サワー』は、めちゃめちゃフルーティ。ジュース感覚でゴクゴク飲めちゃうテイストは、若者に向けた開口としてピッタリというか。一方の『ポンチサワー』は、非常にスウィーティ! と言っても嫌な甘さではなく、アルコールドリンクとしての性格はしっかり残ってました。
「『缶みかん』を丸ごと入れてみたり、また『フルーツポンチ』という発想が出てきたことが斬新でした。お酒は“苦い”が常識でしたが、“甘い”が市民権を得たということも改めて実感しました」(博水社・田中社長)

ちなみに今回開発されたドリンク2種、一般の方々はどこで飲むことができるのでしょう?
「今後、エリアマップや博水社HP内で『飲めるお店』として発信していく予定です」(キリンビールマーケティング・土屋さん)
すでに9月から、『E杏サワー』と『ポンチサワー』をメニューに加えてくれる飲食店を五反田内で探しているのだそう。まさに“地域密着”の若者向け飲料です。
「若者の酒離れが叫ばれる中、学生が開発したという点に共感し、アルコールが苦手な人にこそ飲んでほしいですね」(土屋さん)

いや、それだけじゃない。これは、大学のゼミが行っている活動。ゼミ生からは、営業現場の状況を知るための研修会実施が希望されており、糧にする気はマンマンです!
「今企画を機に、立正大学の学生が『私たちのお酒を飲もう』と街へ繰り出し、その楽しさが伝わることで地域活性化に貢献できれば……と、願ってやみません」(立正大学・吉田准教授)

もちろん、お酒は成人になってから。「若者」と言っても若過ぎる年齢での飲酒は絶対ダメだし、未成年者には絶対勧めてはいけません。
(寺西ジャジューカ)