「フェスティバルFUKUSHIMA!2013 納涼!盆踊り」の様子(撮影:地引雄一)

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福島って今、どうなってると思います? 私に関して言うと、全く知らないわけじゃないがそこまで知ってるわけじゃない。そんなレベル。そういや以前、東京で開催された某イベントに福島在住の高校生がやって来て(日帰り!)、その溢れるパワーにホッとしたもので。
不謹慎かもしれないけど、言わせてください。3年もたつと、そろそろ震災のことを忘れる人も出てきている気がします。

そんな今だからこそ、この活動をご紹介しましょう。その名は「プロジェクトFUKUSHIMA!」。
福島県内外の有志によって結成され、さまざまな活動を展開している同プロジェクト。立ち上げメンバーには、『あまちゃん』の音楽担当として話題となった大友良英氏や、あの遠藤ミチロウ氏(!)が名を連ねているらしく。現在までに数多くのイベントを国内外で開催し、“いまの福島”と“これからの福島”の姿を全世界に向け発信し続けています。

そんな彼らが手がける「フェスティバルFUKUSHIMA!」、2014年は各都市で開催されています。それは、東京でも言わずもがな。日本最大の国際的な舞台芸術フェスティバル「フェスティバル/トーキョー14」(11月1日〜11月30日)のオープニングを飾るは、11月1日〜11月2日に催される「フェスティバルFUKUSHIMA!@池袋西口公園」であります。
当日は、一般公募で集まった300人を大友氏が指揮するスペシャルバンド「池袋西口オーケストラ」の演奏が聴けるし、他の参加アーティストの面々も魅力的。(個人的に注目は、2日に登場する向井秀徳!)

ここで、少し話を変えましょう。今、ひそかに「盆踊り」が盛り上がっているのをご存じですか? 今年は“盆踊りのガイド本”とも言うべき書籍『盆おどる本 盆踊りをはじめよう!』が発表されたし、盆踊り(阿波おどり)しながら食事を楽しめる居酒屋も話題になってるし。私も取材に行ってきました。
実はですねぇ、大友氏も盆踊りにハマっているらしいんですよ。盆踊りを踊るのは苦手だけども、その微妙なスキルのままでとりこになってしまったという(参照『盆おどる本 盆踊りをはじめよう!』)。7月には盆踊りばかりを収録したミニアルバム『ええじゃないか音頭』をリリースしています。「プロジェクトFUKUSHIMA!」から生まれた「ええじゃないか音頭」、『あまちゃん』のオープニングテーマを音頭化した「あまちゃん音頭」を収録するなど、大友氏の現在の嗜好が透けて見える一枚に。というか、嗜好しか見えないのだけど。

そして大友氏、新たに「池袋西口音頭」なんてものまで制作してしまってます。
もう、歌詞が地域に根づきまくってる。「むこうに見えるはサンシャイン」だとか「幸せよびたい イケフクロウ」だとか「乙女ロードにふくろまつり 東武東上、湘南ライン 埼京線に西武線」だとか……。この歌詞は一般の方から集められた「池袋にまつわる言葉」をもとに、大友氏が書き下ろしたのだそう。踊り自体も心なしかモダンだし、ビギナーにも踊りやすそうです。
この「池袋西口音頭」は「フェスティバルFUKUSHIMA!@池袋西口公園」のために制作された一曲。イベントでも踊れます。11月に盆踊りだなんて、多くの人にとって今年の踊り納めとなるはず!

そして当日、イベント会場の公園一面には大風呂敷が広がるんです。これは、全国から募集したさまざまな色・形の布を縫い合わせて作られた結晶。開催地域を中心として布を一般から募集し、それらを縫い合わせた大風呂敷は「プロジェクトFUKUSHIMA!」が開催されるたびに作られているそうです。
その他、いくつものやぐらが建ったり、提灯が祭りを灯したり、そんな空間に国内の人気ミュージシャンが集う!

「故郷を失ってしまうかもしれない危機の中でも、福島が外とつながりを持ち、福島で生きていく希望を持って、福島の未来の姿を考えてみたい。そのためにも、祭りが必要です。人々が集い、語らう場が必要です。フェスティバルを通して、いまの福島を、そしてこれからの福島の姿を、全世界に向けて発信していきます」
これは、発足時に表明された「プロジェクトFUKUSHIMA!」による宣言の一部。全国各地で開催されてきた「フェスティバルFUKUSHIMA!」ですが、今回(池袋)はその集大成的催しとなるでしょう。

兎にも角にも、大友良英や向井秀徳らの演奏を聴きに行きたいし、盆踊りもしに行きたいな。誰でも参加できる無料イベントだそうですよ。
(寺西ジャジューカ)