ネイマールのタトゥーに「元ネタ」があった!? 「トゥド・パッサ」という言葉にまつわる物語とは

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 話題になっているネイマールの「トゥド・パッサ(「すべてはうまくいくさ!」というニュアンスの表現)」というタトゥー。このタトゥーには元ネタがあったことを1月6日付けのブラジルの『グローボ・エスポルチ』(電子版)が伝えた。

 2013年のクリスマス休暇にネイマールが自身の首に入れたタトゥーに関して、これが何を意味しているのかとファンの間でさまざまな憶測が飛んでいた。

 しかし同メディアによると、実はこの「トゥド・パッサ」というタトゥーは、ネイマールととても親しいサーファーのペドロ・スクービーが入れているものと、言葉も、タトゥーを入れている首の位置も、同じものだという。ペドロの妻でもある女優のルアナ・ピオヴァーニは、ペドロとネイマールは“タトゥー兄弟”だと話しているという。

 ネイマールはペドロに、10年ほど前から彼が入れている「トゥド・パッサ」のタトゥーに関する逸話を聞いて感動して、自身も同じタトゥーを入れることにしたのだという。

「タトゥーを入れたのは15〜16歳のころ。僕がこの言葉を最高にかっこいいと思ったのは、ある王様と賢人のお話に出てくる言葉としてなんだ」と、ペドロは熱く語ったという。

“王様と賢人のお話”は、様々なヴァージョンがあるが、ペドロがいう話はこうだ。ある王様が、自分の力に疑問を感じ始めていた。そこで王は賢人に、自分は国をどう守っていけばいいのかを尋ねることにした。すると賢人は王に箱に入った指輪を差し出し、「もうどうにもならないと思ったらこの箱を開けてください」と語った。あるとき戦争が始まり、国の回りがすべて敵に囲まれてしまった。どうしていいかわからなくなった王は、賢人の言葉を思い出して箱を開けた。中にはひとつの指輪が入っていて、ひとつの言葉が彫ってあった−−「トゥド・パッサ(すべては過ぎていく)」。王の心は、この言葉を見て落ち着いたという。

 諸説ある話の中には、「イスト・タンベン・パッサ(それもまた、過ぎていく)」、「トゥド・パサラー(過ぎていくだろう)」と書かれていたというヴァージョンもあるという。ペドロは、この言葉はいろいろな意味に受け取ることができるという。

「自分の人生の中でさまざまなことが起きるけれど、この言葉は、いろいろな場面に当てはまるんだ。自分が人生の中で最悪の状態にいると思っているときなら、あきらめずにそのまま自分の道を進み続けろ、というメッセージになる。自分が頂点にいる、と感じているなら、自分の悪い時を思い出して、そういう時が過ぎ去って今があるんだ、だから常に謙虚でいなければならない、と思わせてくれる」(ペドロ)

「これまで個人的に家庭の中で、人生の中で、いろいろな問題に直面してきたけれど、それをすべて乗り越えてきた。この言葉は僕の人生にとても影響を与えてきたよ」(ペドロ)

(記事/MEGA BRASIL、文/麻生雅人)