さらに、87分に登場した豊田陽平が前線からのプレスを強めてチームを助けると、90分、この日2度目のビッグチャンスが訪れる。「89分間、守備に追われていた」という原口が左サイドを突破してシュートを放つと、GKが弾いたところを柿谷が左足で蹴り込んで勝ち越しゴール。優勝という結果を手繰り寄せた。高萩は言う。

「勝ち切れたのは、もう(柿谷)曜一朗の決定力のおかげ。広島にも(佐藤)寿人さんがいますけど、ああやって決めてくれる選手がいると、僕らは信頼して守備をして、頑張って耐えて、ボールを奪って預けられる。信頼できる選手が前にいてくれるのは、チームにとってすごくプラスのことだと思います」

 守備陣が身体を張ってゴールを守り、エースがふたつのチャンスをいずれもモノにした。その陰には後半から修正したミッドフィルダーたちがいて、役割をまっとうした途中出場の選手たちがいた。わずか10日間だけの即席チームも、終わってみれば解散してしまうのが残念なくらい好チームに成長していた。

 果たして、この中から何人の選手が、8月のウルグアイ戦のメンバーに選ばれるのか、楽しみである。

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