スズキの発表によると、EVの理想形とも言われる発電用エンジン(レンジエクステンダー)を搭載した新型「スイフト EVハイブリッド」を東京モーターショーで公開するそうです。


スズキが今回提案するEVハイブリッドはあくまでEVが主役で、それに発電用小型エンジン(レンジエクステンダー)を搭載する事によりEV車の最大の弱点である航続距離を飛躍的に伸ばしたハイブリッドカー。発想的には小型ロータリーエンジンを搭載したAudi A1の「etron」に近いものがあります。



VWとの技術提携解消が難航しているスズキですが、このクルマはスズキの独自開発によるものだそうで、同社では第2世代となるEVモデル。先代では荷室を占領していたリチウムバッテリーが大幅に小型化されたようで、画像のとおりスッキリしたものになっています。



先代モデルのバッテリー


エンジンルームに駆動用モーターと発電用660ccガソリンエンジンを搭載しており、荷室に積んだバッテリーの電力だけでも約30kmのEV走行が可能とか。電力残量が少なくなると発電用エンジンを駆動して航続距離を伸ばすこの方式は純粋EVに対して「シリーズHV」や「レンジエクステンダー付きEV」とも呼ばれ、バッテリー切れの不安から解放されるEVの理想形とも言えます。



バッテリーは家庭用コンセントで充電が可能。そんなレンジエクステンダー型スイフトの利点をまとめると以下となります。


・バッテリー容量が少なくて済むため、軽量で低コスト化が可能。
・同クラスのガソリンエンジン車並みの航続が可能。給油すれば更に距離を伸ばせる。
・充電に要する時間が短く、100Vで約4時間、200Vなら約1.5時間。
・日常の走行距離が20km以下であれば普段はEVとして使用可能(ガソリン不要)


ちなみに今回のショーで同時公開されるトヨタの新型プリウスPHVは逆にガソリンエンジンが主役で、改良された高性能リチウムバッテリーにより、26kmのEV走行も可能なPHVモデル。



どちらのタイプが今後の主役に成り得るかはまだ未知数ですが、将来バッテリーが劇的に進化して、エアコンを普通に使ってもワン充電で600?ぐらい走れてしまうようになれば、発電用エンジンすら必要が無くなる訳ですが、その日はいつ来ることやら・・・



噂ではガソリンの枯渇はまだ程遠いようですが、環境の面でEVがあるべき姿とすれば、バッテリー切れの不安が無いレンジエクステンダー型EVは当面現実的な手段と言えるかもしれません。



こちらも併せてお読み下さい。 http://clicccar.com/2011/11/10/80090


(Avanti Yasunori )


【画像がすべて見られない方は>>>  http://clicccar.com/80313   】



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