典型的な“人事マン”の行動原理と、新卒採用を成功させるために必要な行動原理の違いについて。

多くの企業では、採用という仕事は、人事が担当するということにだいだい決まっている。そして、採用数が予定に満たない、採用した人がイメージと違う、ミスマッチだという状況が特に近年続いている。このようになる原因は、ほとんどの場合、学生のレベルが下がったこと、大企業志向・安定志向、活動量の少なさといった学生側の問題にされがちだが、私は人事の側にも大いに問題ありと考える。それは、典型的な“人事マン”が持つ行動原理が、“採用”という仕事には通用しないということだ。三点、挙げてみたい。

一つは、典型的な“人事マン”は、いつもリスクに焦点を当てることだ。法や規則に則り、間違いのない組織運営・人事管理を行うことには長けているが、目標を達成するためにどうすれば良いかといった思考は不得手であるし、何としてでも達成しようといった意欲も希薄である。

採用活動は、ターゲットとなる人を多く集客し、その関心をひきつけ、説得し成約しフォローしていくという点で営業活動と同じである。ところが“人事マン”は、例えば採用広告においても、大げさな表現は「誤解を招いてはいけない」、思い切って訴求するポイントを絞った内容は「他のポイントをはずして失敗したらマズイ」と安全運転をするので、結局、当たり障りのないごく普通の広告を作ってしまう。

二つ目は、効率を重視することだ。昨シーズンはどうしたか、これまでどうやってきたか、他社はどうしているかを調べ、それを踏襲することで素早く着手し、効率的に進めるといった仕事の仕方には長けているが、独自性のある方法や差別化された打ち出し方を考えようとはしない。


続きはこちら