インタビュー:加瀬亮「人間は1人で生きていくわけでは無い」
――加瀬さんは毎年幾つもの映画に出演されていて、2009年はTVの連続ドラマにも出演されるなど、活躍の幅を広げていらっしゃいますが、今後挑戦していきたい役柄はありますか?
加瀬:役は具体的には無いのですが、「こういう映画に参加したい」、「こういう監督さんと仕事したい」というのはいつも思っていますね。時代遅れな発言かもしれませんが、僕は小さな映画やパーソナルな映画が好きなんです。今はそういう作品が少なくなっていますよね。アニメや大規模な映画ばかりが多くなってきているので、色々なタイプの作品に出演したいと思っています。――では、プライベートで挑戦したいことは?
加瀬:英語をはじめ、語学にすごく興味がありますね。あとは、今は都会で暮らしていますが、いつか自然がたくさんある場所に自分の拠点を置いてみたいとは思います。色々とプランはありますが、いきなり全てに挑戦するのは無理なので、今は仕事に関わる事から少しずつ挑戦しています。――完成した映画を観て、特に気に入っているシーンを教えてください。
加瀬:ラストカットがとても気に入っています。吉永さんの背中だけで色々な事を物語っていましたね。――特にどんな方に観ていただきたいですか?
加瀬:今一人暮らしをしている方にはおすすめしたいですね。年を重ねていくと絶対に人は死ぬので、今までの自分を振り返る意味でも観て欲しいです。絶対心に届く事があると思います。――現代には珍しい、不器用で暖かい家族の話とも言えますね。
加瀬:効率的じゃないという理由で切り捨ててきた物とか、薄れてしまった物がたくさん詰まっている映画です。「人間は1人で生きていくわけでは無い」というメッセージを含んでいますし、鶴瓶さんと吉永さんのお芝居もとても素敵ですので、ぜひ映画館で楽しんでいただきたいです。「おとうと」ストーリー
東京の郊外で、夫亡きあと小さな薬局を営み、一人娘の小春を育ててきた姉・吟子。大阪で何ひとつ成し遂げられないまま歳を重ねてしまった弟・鉄郎。音信普通 だった彼が突然、小春の結婚式に現れ、酔っ払って大騒ぎ、披露宴を台無しにしてしまう。激怒する身内の中、鉄郎をかばうのは吟子だけだったが、ある出来事 がきっかけで、吟子は絶縁を言い渡してしまう。肩を落として出ていく鉄郎の背中に不吉な予感を覚える吟子だったが…。
・おとうと - 作品情報