タマちゃんになる会

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かつて、はるか彼方の海から多摩川に泳ぎ着いた一頭のアザラシがいたことを、皆さんは覚えているだろうか?

すまし顔がキュートなそのアザラシは、多摩川をなかなか離れようとせず、いつしか“タマちゃん”の愛称で、地域住民のみならず、日本全国のタマちゃんファンたちを魅了した。

そして「タマちゃんを守ってあげよう!」というグループが誕生した。“タマちゃんを守る会”“タマちゃんを助ける会”“タマちゃんを見守る会”など、そのグループはかなりの数が存在した。そのなかで異彩を放ったのが2003年に設立された“タマちゃんになる会”である。

いまも“タマちゃんになる会”を続けるグループ代表のY氏は、グループ設立の動機として「あまりにタマちゃんを好きになっちゃったんですね。だから僕自身がタマちゃん自身になりたかったんですよ」と語る。いまだから語れる事実をすべて聞くことができた。

某日、タマちゃんが出現したという情報を聞きつけたY氏率いる“タマちゃんになる会”は、タマちゃんがスミカとしている多摩川のとある場所へと駆けつけた。そこには、地域住民のタマちゃんファンや、タマちゃんグッズを売って商売をしている人、そして他のタマちゃんファングループが、すでにタマちゃんの出現を待ちわびていた。

タマちゃんになる会2そこでおもむろに裸になった“タマちゃんになる会”の会員X 氏は、あたまにタマちゃんの顔を描いた帽子をかぶり、川辺からゆっくりと泳ぎだし、ジャブジャブとタマちゃんファンたちがいる方へと泳いでいった。本格的なタマちゃんを目指したX氏は「アウッ! アウッ!」と、鳴き声もあげた。そう、彼はその瞬間にタマちゃんになったのだ。

しかし、タマちゃんファンはそれをタマちゃんとは認めなかった。 「バカヤロー!!」「おまえ頭おかしいだろ〜!!」「早く川からあがってこっちに来い!」などと、X氏に怒声が浴びせられた。しまいには、X氏に向かって空缶や石を投げつけるタマちゃんファンも続出。まるで砲撃を避けるゲームのような状態に陥ったのだった。

住民 バカヤロー! タマちゃん驚くだろ!!
X氏 アウッ! アウッ!
住民 狂ってんじゃねーよ! コッチにあがってこい!
X氏 アウアッ! アウッ!
住民 施設に電話したから〜。いすぐに係員くるよ〜。
X氏 アウッ! アウアウッ!

それでも動じないX氏に対してタマちゃんファンたちは正常な精神状態でないと思ったらしく、今度は優しく「うんうん、わかったからちょっとコッチに来て話そうか」「キミの話を聞こうと思うんだ」「寒いから風引いちゃうよ。バスタオルあるからこっちにおいで」と注意をうながした。

タマちゃんになる会3それに対して気をよくしたX氏は、泳ぎ疲れたこともあって川辺に戻った。すると……「てめえブッ殺すぞ!!」「どこの施設からやってきた!!」「警察呼んだからなクソが!!」などの怒号がX 氏を責めたてたのだ。それにはX氏もびっくり仰天。唖然としたという。状況的には、X氏の行動をみたタマちゃんファンの方が仰天していたとは思うが……。

「多摩川で泳ぐんじゃねーよ!!」「ここはタマちゃんの聖地なんだよ!」 という言葉には、さすがにカチンときたのか、Y氏はすかさず河川を管理している省に電話。多摩川で泳いでいいのかどうか確認をしたところ、「問題ないですよ。ただ、泳ぐときは注意してくださいね」との返答をもらい、それをタマちゃんファンに伝えたものの、理解してもらえなかったという。ただタマちゃんになりたいだけのグループなので、別にケンカをしにきたわけではない。そう思ったY氏は、X氏たちグループ会員と共にその場を去った。

タマちゃんファンにとっては、“タマちゃんになる会”の行為は確かに驚きだし、常識の範疇では理解されない行動とはいえるだろう。当時の様子は漫画化もされたようだが、彼等に真意と行動の事実をすべてを載せることができなかったという。

“タマちゃんになる会”の行為が良いか悪いかの判断は時代や社会にゆだねるとして、大人の常識や責任にとらわれず、子どもの夢や純粋さだけで行動してしまうと、なにかしらの騒動に発展してしまうと、いうことは、いつの時代でも同じことだろう。


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元記事
大乱闘!“タマちゃんになる会”とタマちゃんファンの激突の真相