検索エンジンを運営するドイツのEcosiaとフランスのQwantが、アメリカのビッグテック企業への依存を減らしてヨーロッパの検索インデックスを構築するためのパートナーシップを発表しました。両社はスタートアップのEuropean Search Perspectiveを合同設立し、主にドイツ語とフランス語の検索結果を改善する予定です。

Ecosia and Qwant join forces to develop European search index - Better Web

https://betterweb.qwant.com/en/2024/11/08/ecosia-and-qwant-join-forces-to-develop-european-search-index/

Ecosia, Qwant partner on search engine tech to counter Google's power

https://www.cnbc.com/2024/11/12/ecosia-qwant-partner-on-search-engine-tech-to-counter-googles-power.html

Ecosia and Qwant, two European search engines, join forces on an index to shrink reliance on Big Tech | TechCrunch

https://techcrunch.com/2024/11/11/ecosia-and-qwant-two-european-search-engines-join-forces-on-building-an-index-to-shrink-reliance-on-big-tech/

EcosiaとQwantは検索結果の表示にBingのAPIを使用していて、EcosiaはBingに加えてGoogleにも依存しています。両社は、こうした依存を減らした上で、生成AIを組み込んだ検索製品を展開して運用コストを削減することを目指すとのことです。

具体的には、さまざまな検索エンジンから検索結果を集めて独自の検索インデックスをゼロから構築し、ユーザーの検索語句と検索結果を一致させやすくします。Googleなどと大きく違うのは「プライバシー」を重視しているという点で、ユーザーの趣味嗜好、検索履歴に基づいたパーソナライズは行わないといいます。



Qwantのオリバー・アベカシスCEOは「我々はヨーロッパの企業であり、第三者の決定、例えばMicrosoftが検索APIの費用を引き上げるなどという決定が、我々のビジネスを危険にさらすことがないような技術を構築する必要があるのです。アメリカやアメリカの企業に対抗するものではなく、我々のビジネスと企業の主権に関わることです」と語りました。

European Search PerspectiveはEcosiaとQwantが50:50の割合で所有し、2025年第1四半期までに、EcosiaとQwant向けに検索インデックスを提供開始する予定です。最初はドイツ語とフランス語に注力し、英語も追加する可能性があり、勢いが増せばさらに多くのヨーロッパ言語を追加するかもしれないとのこと。



Ecosiaのクリスチャン・クロール氏は、「ヨーロッパは技術面でアメリカに強く依存しています。ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に選出されたことで、地政学的な緊張が高まる可能性もあります。アメリカと欧州は常に強い同盟国であり続けることを望んでいますが、お互いどうなるかわからないので、データ主権を保持しておくことは重要だと思います」と述べ、欧州製の検索インフラストラクチャを導入することの戦略的価値を強調しました。