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 子供の空手大会での“危険行為”の動画がSNS上で拡散され、物議をかもしている件について、全日本空手道連盟は13日までに公式サイトを通じ、「少年空手大会に関するお問い合わせについて」とするお知らせを更新。問題が起きたのは他団体が主催する大会だとした上で、「空手を名乗る大会でこのような事案が発生したことは誠に残念」と声明を発表した。

 問題の動画では、審判の「待て」の合図があったものの、背を向けた選手に対して走り込んだ選手が後頭部へ蹴りを入れた。負傷した選手はうずくまって動けない様子だった。また、セコンドらしき人物が「いけ!」と指示していたことや、被害者が試合中に相手に対し背を向けたこと、子供のコンタクトの大会実施など、さまざまな角度で波紋を呼んでいる。

 11日には、反則を行ったとする選手が所属する勇征会が声明を発表。反則の指示を出したセコンドに「無期限の謹慎及び対外試合への引率、セコンド活動一切禁止」とする処分を下したと報告した。

 全日本空手道連盟も「少年空手大会に関するお問い合わせについて」とする声明を発表。「この度、空手道大会で起きた事案がインターネット上で拡散しており、その件で全日本空手道連盟にも複数件のお問い合わせをいただいているところです。今回の事案で負傷された選手に対し、お見舞い申し上げると共に、一日も早いご回復をご祈念申し上げます」とした。

 連盟は「インターネット上の情報を確認したところ、全日本空手道連盟の加盟団体で開催された大会ではないことが確認されました」と報告。

 「本連盟の競技規定は、安全を最優先したノンコンタクトルールであり、安全具についても、頭部と顔面を守るメンホー、腹部を守るボディープロテクターをはじめ、拳には衝撃を吸収する拳サポーター、足の脛と甲にもサポーターを装着して行われます」とした上で、「しかしながら、他団体が異なるルールで実施した大会ではありますが、空手を名乗る大会でこのような事案が発生したことは誠に残念であり、何よりも選手の負傷には心を痛めております」とメッセージを公表。

 「JOC並びに日本スポーツ協会の正式加盟団体である本連盟といたしましては、さらなる安全対策を心がけることとし、関連団体に注意喚起の文書を発信することといたしますとともに、恒常的に開催している審判講習会やコーチ研修会において、安全に対する教育を一層推進してまいります」と呼びかけた。

 また、「全日本空手道連盟では空手の価値を、 ●礼節 ●人格形成 ●伝統 ●健康 ●フェアプレー ●感動と定義しております。これらの理念に基づいて空手道に関わる全ての人が安全に楽しく活動出来るようこれからも努めてまいります」と宣言した。