代表選出馬を表明した吉村洋文氏(左)と金村龍那氏(いずれも12日)

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 日本維新の会の代表選(17日告示、12月1日投開票)を巡り、大阪府知事の吉村洋文共同代表(49)と、副幹事長の金村龍那衆院議員(45)(比例南関東)が12日、出馬する考えを表明した。

 選挙戦は知名度の高い吉村氏を軸に争われる見通しだ。

 吉村氏は党本部での記者会見で、「このままだと国政政党として消滅しかねないという危機感がある。党の存在意義を訴え、立て直していきたい」と述べた。

 衆院選の結果に責任を負う立場ではあるものの、「多くの仲間から『代表をやってほしい』という声が届いた」と明かし、「永田町文化を変える。密室で決まる政治のあり方を変えていく」と語ったほか、結党の原点である道州制の実現などに意欲を示した。

 吉村氏は衆院議員や大阪市長を経て2019年に大阪府知事に就任した。22年から党の共同代表を務めている。府知事と代表の両立については、「(自身が代表になれば国会議員が就任する)共同代表と役割分担していく」と語った。

 一方、金村氏は国会内で記者団に「全国政党化への歩みを止めない。こういった大義をしっかりと議論していきたい」と強調した。出馬に必要な国会議員や地方議員、首長の推薦人50人に関しては「おおむねメドが立った」と説明した。

 金村氏は衆院議員秘書出身で当選2回。21年と今回の衆院選はいずれも神奈川10区で敗れたが、比例選で復活当選した。

 代表選へは、希望の党代表や神奈川県知事を務めた松沢成文参院議員(66)(神奈川選挙区)や、民主党出身の空本誠喜衆院議員(60)(広島4区)も出馬に意欲を示している。また、東京都国立市議の中川貴大氏(31)は12日、読売新聞の取材に対し、立候補を目指す意向を明らかにした。中川氏は「14日に記者会見を開き、公約などを発表したい」と話した。

 維新は衆院選で公示前から6減の38議席となり、比例票は前回選から約300万票減の約510万票にとどまった。馬場代表の責任を問う声が強まって代表選実施が決まり、馬場氏は不出馬を表明した。