船井電機の破産、会長が取り消しを申し立て 「債務超過ではない」
破産手続きの開始決定が出されたAV機器メーカー船井電機の代表取締役会長だった原田義昭元環境相(80)が、決定の取り消しを申し立てたことが原田氏らへの取材でわかった。
10月30日付で、「債務超過でも支払い不能でもない」と主張。ただ、識者の一人は「決定を覆すのは相当にハードルが高い」と指摘している。
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船井を巡っては、同社取締役の一人が同24日、取締役会の決議を経ない「準自己破産」を東京地裁に申し立て、破産手続きの開始が即日決定した。約117億円の債務超過に陥り、現預金もほぼ底をついたと地裁に報告していて、緊急性があると判断された。破産管財人には、日本航空の会社更生で管財人を務めた片山英二弁護士が選ばれた。
同24日にあった従業員向けの説明会では、船井の幹部が「いろんな人が会社のお金を抜く行為も起こっていた」などと、準自己破産申請に踏み切った理由を伝えたという。
一方、原田氏は取材に対し、「全従業員をいきなり解雇というのはひどい話で、そうせざるを得ない状況ではなく支払い能力はある。それを立証して決定を取り消させ、企業再生の道筋をつけたい」と話す。近く、民事再生法の適用も申請する方針という。