豪州の正捕手パーキンス【写真:羽鳥慶太】

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豪州の背番号9、パーキンスは今永昇太の元“相棒”

 野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」が日本時間10日に開幕した。日本の初戦は13日に名古屋市のバンテリンドームで行われる豪州戦だ。相手の正捕手ロビー・パーキンスは、今季カブスで15勝を挙げる大活躍を見せた今永昇太投手とかつてバッテリーを組んでいた間柄。今永との思い出や、受けた影響について語ってくれた。(取材、文=THE ANSWER編集部、羽鳥慶太)

 今永とバッテリーを組んだのは、もう6年も前になる。それでもパーキンスの左手には、今もボールの感触が残る。カブスでの大活躍も知っており「もちろんだよ。今も彼のことは追っているんだ」。大リーグでの活躍を、まるで自分のことのように喜ぶ。

 今永はDeNA時代の2018年オフ、豪州ウインターリーグのキャンベラに派遣された。6試合に先発し4勝0敗、防御率0.51。35イニングを投げて57奪三振とまさに“無敵”と言っていい成績を残す中で、相棒を務めたのが当時24歳、日本流に言えば今永の1学年下になるパーキンスだった。

「あれは素晴らしい経験だった。彼は素晴らしい人間だし、パフォーマンスで自らの存在を語っていたよ。MLBでも日本代表でも活躍して、自分の価値を証明している。彼のボールをキャッチできたのは素晴らしい名誉だよ」

 今永の派遣期間は11月末の開幕から年末までと短い期間だったため、実戦でバッテリーを組む機会はそれほど多くなかった。それでも、学んだことばかりだという。パーキンスはその中で体感した今永の長所を「全てにおける正確さだよ」と分析する。

豪州時代も愛されキャラ「良いエネルギーを持ってきてくれた」

「圧倒的なピッチングをするわけでも、100マイルのボールを投げるわけでもないけど、彼の投球の仕方やボールの動かし方を経験できたのは素晴らしいことだよ。投球の正確さ、ボールの投げ分け、毎日のトレーニングをどのように過ごすか。そう積み重ねて、最後にアメリカに行きついただけだと思うよ」

 自身もマイナーでプレーしたことがあり、米国で成功する難しさを知っている。2013年から6年間の挑戦で3Aまで上がったが、メジャーには手が届かなかった。今永が米国で成功できたのは、そのキャラクターも一つの要因だと考えている。

「彼はとても面白かったよ。1日目からオーストラリアの文化を受け入れて、人々が何をしているか理解しようと努めていた。彼は毎日のようにクラブハウスで笑っていて、良いエネルギーを持ってきてくれたよ」。本拠地シカゴのファンを夢中にさせている資質は、当時から発揮されていた。

 今永の成功にも影響されてか、日本の若手選手がオフの“武者修行”として豪州に派遣されるのはもはや珍しくなくなった。このオフもDeNAなど5球団の計14人がプレーする予定だ。パーキンスは毎年のようにやってくる日本人とバッテリーを組めるのを楽しみにしている。

「日本ではとてもメジャーなスポーツだし、日本人が来てくれるのは僕たちにとっては大きいよね。彼らのような相手と競争して、対戦できる。彼らから学んで、このスポーツをよりよくしていくだけじゃないかな」。今永とともに過ごした1か月で得た経験も、豪州野球の発展に活かしていく。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)