ロバート秋山、道長に撃沈する実資に「僕も何を言っているかわからない」
吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時〜ほか)で忖度なしの公卿・藤原実資を演じる秋山竜次。前・第42回で実資が図らずも、東宮妃・すけ子(朝倉あき)の立后の儀の上卿 (しょうけい)を務めたことから、三条天皇(木村達成)に頼られる身となったが、実資の複雑な心中を秋山が振り返った。第43回放送後、ドラマの公式SNSなどで公開されたインタビュー動画「君かたり」内で語っている。
三条天皇が即位してからというものの、左大臣・道長(柄本佑)との覇権争いが勃発。前・42回では三条天皇が道長の制止も聞かず、後ろ盾のないすけ子を皇后にすると宣言。三条天皇の独裁を案じた道長は四納言に相談し、すけ子の立后の儀と同日に中宮・妍子(倉沢杏菜)の内裏参入を行うことを画策。妍子の内裏参入に多くの公卿を集めれば三条天皇との力の差を見せつけられるという思惑だったが、それを知った三条天皇は時間をずらすことで対抗。しかし、ふたを開けてみればほとんどの公卿が立后の儀に参加せず、儀式の上卿(※公卿の総称の場合と、個々の朝議・行事を奉行する公卿の上首を指す場合とがある。後者の場合は原則として、摂政、関白、太政大臣および参議は上卿を勤めない。「光る君へ」用語集より)を務める者がいないことから、三条天皇は姿を見せた実資に強引に上卿役を命じた。
この一件以来、三条天皇は実資を味方に引き入れるべく頼るようになり、第43回では一層顕著に。三条天皇は目と耳を患い、もはや帝としての務めを果たすことは不可能と判断した道長は譲位を迫り、三条天皇は実資に道長から守ってほしいとすがった。三条天皇は蔵人頭に実資の息子・資平(篠田諒)を起用する提案をしたりと実資を懐柔。実資は、帝に譲位を迫る道長をたしなめるが平行線をたどり、最後は道長が苦笑いで「意味が分からぬ」と打ち切った。
秋山は実資と三条天皇の関係について「今までそんなことなかったですけど、三条天皇に関しては、ちょっと自分を利用するみたいなことが多いので、しかも息子のこととかも含め。なんかちょっとやっぱり実も実資で三条天皇をちょっと利用して近づいているような気ましますよね。歩み寄っていってる感じというか。ここに来て結構今までよりも結構ずるい感じというかがここ数話で目立ってきたので、真面目なんですけど随分近づいていってるなみたいなのはありますね。三条天皇にもちょっと気に入ってもらおうとしているようなことも感じましたね」と分析。
三条天皇に頼られる実資の胸中に「ちょっと複雑なんじゃないですかね」と想像を巡らせ、実資が道長と対峙したシーンをこう振り返っている。
「自分が頼られて。それこそ今日のシーンで道長に言いに行って論破できませんでしたけど、自分が行かなきゃいけない、道長に言いに行かなきゃいけない。三条天皇側についていっているけど、半分は『う〜ん、俺なのか?』って感じで動いているような気もしますけどね。急にそんなに帝に任せられることはないんじゃないですか。そこまで。なんかそれでちょっとそこにつけ込んでいろいろ条件出すこともあるだろうし、半分はわからず動いてる気もしますけどね。半分自信があってないような感じなんすかね。あんまりグッと突っ込んでいくことないですもんね、そこまで道長に。論破されてたもんな。今日のやつは面白かったですけどね、本当に。何言ってるかわかんなくて自分でも。何か言っているんですけど、今までの中で1番ぐらい道長に『意味がわからん』って突っ込まれましたんで(笑)。あんまりないですよね。いい意味でちょっと空回りしてるような感じもしましたね。帝に言われたから行かなきゃいけないしみたいな。でも何をもっていけばいいんだ、論破できるんだって行って激沈していた。このシーンめちゃくちゃ面白かったですけどね。実際、僕も何言っているかわかんなくて、全然セリフが覚えられなくて、本当によくわからないこと言ってましたけどね(笑)」(編集部・石井百合子)