上村洋行調教師が調教師バッジを偽造して使用 過怠金50万円の処分に JRA発表
JRAは9日、上村洋行調教師(51)=栗東=が、調教師に対して交付される調教師バッジ(記章)を偽造の上使用したことが発覚したため、過怠金50万円の処分を科したと発表した。このバッジは本人の身分を証明したり、JRAの競馬場など施設内で通行証として使われている。
発覚した経緯は以下の通り。24年10月26日に東京競馬場にて調教師記章の拾得物があり、刻印されていた管理番号から上村師のものであると判明。一方、上村師は別の記章を着用していたことから、本人に事情を確認したところ、本物の記章紛失防止のため、業者に依頼して記章の偽造品を作製し、それを使用していたことを認めた。上村師の行為は、立ち入り禁止区域への不正な侵入を目的としたものではないものの、ルールを遵守するべき調教師としての注意義務を著しく欠くものであり、日本中央競馬会競馬施行規程第147条第19号に該当すると判断し、過怠金50万円を科した。
上村師は競馬学校8期生で92年に栗東・柳田次男厩舎所属で騎手デビュー。同年の京王杯AHでトシグリーンに騎乗して重賞初制覇を果たすなど、40勝を挙げてJRA賞の最多勝利新人騎手を受賞した。95年にはフェアプレー賞を獲得。08年のスプリンターズSでスリープレスナイトでG1初制覇を果たすなど、JRA通算570勝(うち重賞10勝)をマークし、14年2月に騎手を引退した。
同年3月から池添兼雄厩舎で調教助手に転身。その後、5度目の挑戦で調教師試験に合格し、18年に免許を取得した。翌19年3月に開業すると、開業5年目となった23年3月のスプリングSのベラジオオペラで重賞初Vを達成。翌年には同馬で大阪杯を制してG1初勝利を飾った。8日現在で40勝をマークして全国リーディング7位につけ、JRA通算では166勝(うち重賞5勝)を挙げている。
▼日本中央競馬会競馬施行規程第147条 競馬の公正を確保するため、第138条第1項各号及び第145条各号のいずれか又は前条に該当する場合を除き、次の各号のいずれかに該当する馬主、調教師、騎手、調教助手、騎手候補者又は厩務員に対して、期間を定めて、調教若しくは騎乗を停止し、戒告し、又は100万円以下の過怠金を科する。
(19号)前各号に定めるもののほか、競馬の公正確保について業務上の注意義務に違反した者