カシューナッツ、表示義務化検討=アレルギー症例増受け―消費者庁
カシューナッツを食べてアレルギー症状が出た例が増えているとして、消費者庁がアレルギー表示を義務付ける原材料に追加することを検討している。
昨年の食物アレルギー原因に占める割合は4.6%と、12年前の調査の0.6%から大幅に増加。重い症状になるケースも多く、同庁は表示を義務化すれば消費者がより注意を払うようになるとみている。
同庁は3年ごとに食物アレルギーの実態を調査。摂取後1時間以内に症状が出て、医療機関にかかった症例を医師の報告でまとめた。
昨年の6033例のうち、カシューナッツが原因だったのは279例。原因食物の中で7番目に多かった。12年前は14番目で、順番は徐々に上昇している。カシューナッツが原因の重いショック症状は昨年37例あり、5番目に多い原因食物だった。
同庁は健康志向が高まる中、ナッツ類の消費量が増え、それに伴いアレルギー症例が増えていると推測している。
食品表示法でアレルギーの原因として表示が義務付けられている「特定原材料」は、卵や乳など8品目。昨年、クルミが追加された。カシューナッツは2013年から表示が推奨されているが、同庁は義務化について協議する有識者会議を今年度内に開く方針だ。