転売ヤー殺到の「ハローキティ展」に潜入…開催初日は180分待ち、1週間後も大盛況の中、サンリオが見せた見事な運営方法の変更
2024年11月1日(金)から東京国立博物館(表慶館)で開催されている『ハローキティ展』。開催初日は平日にもかかわらず、入場まで180分待ちの事態となった。SNS上では「転売ヤーとみられる人たちが殺到している」などの声も続々とあがっていたが、実際のところどうなのか。今回は開催一週間後の「ハローキティ展」の様子をレポートする。
【画像】大盛況の「ハローキティ展」展示エリアからグッズ売り場までの待機列
50周年記念イベント、開催初日の「ハローキティ展」の混乱とは
「ハローキティ展」の公式Xアカウントによると、イベント初日の10時15分時点での入場待ち時間は180分だったという。
案内スタッフを振り切って強引に入場しようとする人もいるほどの混乱が起こり、最終入館時刻を2時間繰り上げる事態にもなったため、SNSやネットニュースで話題になった。
このような事態を受け、株式会社サンリオは翌日、公式サイトに「ハローキティ展開催初日の混雑に関するお詫び」を掲載。
グッズ売り場は完全入れ替え制とし、購入できる時間帯を限定、グッズ売り場内のレジ位置や待機列位置などを見直し、会場限定グッズの購入個数の制限を調整するなど、運営方法を変更したとのことだ。
この騒動で特に問題視されていたのは、イベント会場にグッズ商品を転売目的で購入する転売ヤーらしき来場者が殺到しているという点である。
「ハローキティ展」公式サイトでは10月23日に、「転売に関するお知らせ」を発表し、イベント開催前から商品の転売禁止を呼びかけていた。
こうした注意喚起をあらかじめ行なっていたにもかかわらず、開催初日は転売ヤーらしき人々による混乱があったのだ。
Xにも〈転売ヤーがたくさん来てる。大量に袋を持っていてとても怖い〉などと、動画や画像付きのポストが投稿されており、会場内の混乱状況がうかがえた。
開催一週間後でも入場からグッズ売り場まで合計80分の待ち状況
初日の混乱を受けて、転売ヤー対策の変更はあるのかなどの点についてサンリオに問い合わせたものの、「回答は差し控える」と返答があり、詳細はうかがえなかった。
しかし公式サイトの情報によると、当初は「購入数1会計50点までの個数制限」だったものが、初日の混乱を受けて「購入数1会計30点までの個数制限」に変更されたようだ。
そして今回、開催からちょうど一週間後の「ハローキティ展」に行ってみたのだが、会場内には随所に誘導スタッフが配置されており、会場は混雑しているものの混乱はなかった。
平日の13:00時点で入場までは30分待ち、展示会場からグッズ売り場までは50分待ちという混み具合。
来場者のおよそ半分は外国人といっても過言ではないほど、外国人来場者の姿が多く見られ、家族連れや4、5人の男女グループなど大人数での来場も目立っていた。
来場者の男女比は8割女性、2割男性といった印象。10代~60代程度まで幅広い世代の女性が訪れていた。やはりハローキティは世代や国籍を問わず多くの女性から支持されているようだ。
筆者が滞在した時間では、Xのポストにあったような「大きな袋を持っている」などの転売ヤーらしき特徴を持つ人物は確認できなかった。
グッズ売り場だけでスタッフは10名以上!
万全の状態で挑む運営
グッズ売り場は20~30名ごとに案内され、10分ごとの完全入れ替え制となっている。
つまり、来場者が商品を選択できる時間は10分間しかないのだ。そのため事前に購入したいグッズの目安をつけておいたほうがいいだろう。
人気の高いぬいぐるみやマスコットキーホルダーなどのグッズは、一人当たりの個数制限が設けられていて転売ヤー対策がなされているようである。(グッズ売り場は撮影禁止)
この日、運営側は8台程度のレジ体制を整え、10分ごとの入れ替え制に挑んでいた。
マスコットキーホルダーなどの一部商品には中身がランダムのものもあり、目当ての商品が出るとは限らないため、同じ商品をいくつも購入している人や、合計1万円以上の購入となる人も少なくないようだった。
グッズ売り場だけでも10名以上のスタッフが配置されていて、開催初日のような混乱を起こさぬよう、万端の体制を整えているようだ。
―――「ハローキティ展」東京会場の開催は来年2月24日まで。今後は沖縄、京都でも開催予定とのことだが、今回の東京初日のような悲鳴がネットで聞こえないことを祈るばかりだ。
取材・文・写真/逢ヶ瀬十吾(A4studio)