メーガン妃も危機? “トランプ圧勝”でヘンリー王子「国外追放」の可能性は…トランプ氏次男は「我々はもう彼らを必要としない」発言も
選挙呼びかけでも目立たなかった2人
「トランプ大統領」の歴史的な復活劇は、圧勝という選挙結果もあって予想よりもさらにビッグなニュースになった。その舞台である米国では、エンタメ系セレブを中心としたハリス支持の呼びかけが、多くの一般人に響かなかった事実が浮き彫りになっている。「セレブと一般人」の間にあるものは影響力ではなく溝だったという皮肉な結果だ。
多くの有名セレブがニュースになったためほとんど目立たなかったが、ヘンリー王子とメーガン妃も自らが運営する慈善団体のサイトで有権者登録を呼び掛けていた。2020年の大統領選挙では、民主党支持を匂わせながらの呼びかけが「英国王族の選挙介入」と騒がれ、共和党議員が駐米英国大使に抗議 書簡を送付する事態にも発展している。だが今回は、夫妻への注目度は明らかに下がっていた。
露出を控えていた状況はかなり大きいが、他の要因としては、この4年間で米国における夫妻のイメ―ジが大幅にダウンしたことがあるだろう。
高級ブランドに身を包んで“王室風の公務”に勤しむ一方、目玉商品だった王室批判は鮮度が落ち、配信企業2社との巨額契約は実績不足によりうち1社と解消。ニューヨークでは“カーチェイス”疑惑が勃発し、風刺アニメではそっくりキャラがコケにされ、元スタッフはメーガン妃を「独裁者」と告発……などなど、振り返ってみれば「お騒がせセレブ」に“進化“する過程が実況中継されていたような4年間だった。
まだくすぶっているヘンリー王子のビザ問題
今回のヘンリー王子とメーガン妃は、選挙前よりむしろ「トランプ圧勝」後に注目されている。その理由は夫妻が見舞われているトラブルの1つ、ヘンリー王子のビザ問題だ。
「デイリー新潮」は24年4月、保守系シンクタンクのヘリテージ財団が、ヘンリー王子のビザ申請書の開示を求めて国土安全保障省(DHS)を訴えたことを報じた。同年1月に出版された自叙伝『Spare』で薬物使用歴を明かしたヘンリー王子が、いったいなぜ米国に在留できるのか、という“謎”が発端である。
ただし、ヘリテージ財団側の意図はヘンリー王子への直接攻撃というより、移民に起因する危機などについてDHSの責任を追及するニュアンスが強い。それもあってか、ビザ申請書の開示をめぐる法廷闘争は長期化し、9月23日に首都ワシントンの連邦地方裁判所が「非公開のまま」と判断したことで終了した。だが財団側は10月、新たな裁判を目指して関連書類を提出したという。
ヘンリー王子夫妻vs.トランプ氏の歴史
そして11月、トランプ大統領の復活劇によりこのビザ問題が再注目されている。これまでの「戦いの歴史」からすると、当然の流れかもしれない。
そもそもヘンリー王子とメーガン妃は明らかな「反トランプ」。メーガン妃はヘンリー王子との結婚前、16年の大統領選挙でトランプ氏を批判していた。結婚後の19年6月、当時大統領だったトランプ氏が訪英した際は、産休のため公的行事を欠席している。しかも、出席したヘンリー王子は態度があまりよくなかったとも報じられた。
トランプ氏も負けてはいない。20年9月の会見で「私は彼女(メーガン妃)のファンではない」「(ヘンリー王子の)幸運を祈っている」などと発言。また、21年12月には英国のニュース専門ラジオ・テレビチャンネル「GBニュース」の番組で、ヘンリー王子とメーガン妃によるエリザベス女王への非礼を強く非難した。
23年11月にもトランプ氏は同じ番組に出演し、「彼ら(ヘンリー王子とメーガン妃) が薬物について何か知っているかを確認する必要がある。彼(ヘンリー王子)が嘘をついていたのなら、適切な措置を取らなければならないだろう」と、国外退去を匂わせるような発言をした。同時に、当時騒動になっていたキャサリン妃が撮影した写真の加工については「とても小さな加工だった」と擁護していた。
そして24年2月には、英紙デイリー・エクスプレス米国版に対し、ビザ申請書類の不開示決定について「ヘンリー王子を守った」バイデン政権への怒りをあらわにしつつ、「私に彼(ヘンリー王子)を守る気はない。彼は女王を裏切った。許されないことだ」と語った。
「ハリー王子のことなんてどうでもいい」
では、トランプ大統領の復活が決まった今、ヘンリー王子とメーガン妃の米国セレブライフは危機に瀕しているのだろうか。
その疑問に答えているのは、トランプ氏の次男エリック氏だ。エリック氏は8月、「GBニュース」に対し、自身と父母、そして多くの米国人が英国王室に抱く敬意を語りつつ、「あらゆることに悪者が存在する可能性は常にある」 とヘンリー王子夫妻を批判。そして「我々はもう彼らを必要としないかもしれない」と発言した。
これは本当にヘンリー王子とメーガン妃の危機なのか? だが、投票日が間近に迫った10月末には、英紙デイリー・メールに対し「国外追放を心配する必要はない」と主張がマイルドになった。ただしその理由は「私はハリー王子のことなんてどうでもいいし、この国も同じだと思う」というもの。この4年でイメージがガタ落ちした結果、「気にもされないセレブ」の枠に入ってしまったが、そのせいで逆に助かったようだ。
エリック氏は他にも、ヘンリー王子を「かなり不人気な妻に率いられ、自分がどこにいるのかよくわかっていない厄介者」とした上で「見ていると悲しい」と同情。ヘンリー王子のビザについては「彼が麻薬をやっていたかどうかなんてどうでもいいですね。何の意味もありません」と見事にぶった切った。
一方で、英国王室に対する深い敬意や、ウィリアム皇太子とキャサリン妃夫妻への擁護はしっかりと述べ、トランプファミリーが英国王室の味方である事実を暗に伝えた。要するに、ヘンリー王子とメーガン妃の窮地は今後も変わらないということか。
デイリー新潮編集部