高気温で秋冬物売れず各社減収、ユニクロ担当者は悲鳴 国内アパレル関連大手24年10月度
ファーストリテイリングの国内ユニクロでは、気温が高く推移した関係でブラトップやエアリズムインナーなどの夏物定番商品に動きが見られたものの、本来この時期に販売を見込んでいた秋冬物アウター全般が売れず、前年同月比7.5%減。「JW アンダーソン(JW ANDERSON)」、「ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)」などとのコラボレーションは好調だったが、秋冬物の落ち込みをカバーするには至らなかったという。ユニクロ担当者は「10月は想定より遥かに暑く、ヒートテックの『ヒ』の字も出なかった。とにかく寒くなってほしい。木枯らしが吹き始めたこともあり、11月には冬物に動きが出ることを期待したい」と話した。
アダストリアでは、気温に左右されない生活雑貨が堅調だったものの、秋冬衣料の販売が伸びず、前年同月比6.3%の減収。その中で好調だったブランドは「ニコアンド(niko and ...)」「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」で、ライトアウターやシャツ、ニットトップスなどが人気だったという。
ワークマンは、衣料品や服飾小物など秋冬物が全般的に低調で、前年同月比15.6%の大幅減。中でもアウターやボトムスの売上が伸び悩んだ。一方で、雨が多かったことでレインウェアや長靴などは比較的好調だった。
高気温の中で、売上を伸ばした企業もあった。ユナイテッドアローズでは、シャツやカットソー、ジャケット、パンツ、ワンピースなどの秋物衣料が動き、前年同月比9.1%増。4月から9月まで6ヶ月連続で記録していた2ケタ伸長はストップした。
良品計画でも、月末に実施した大型セール「無印良品週間」で集客できたことが奏功し、前年同月比18.6%増と大幅伸長。衣類・雑貨カテゴリーの伸びは冬物衣類の苦戦もあり1.7%増と控えめだったが、気温の影響を受けにくい生活雑貨、食品カテゴリーが業績をけん引した。
■2024年10月度 各社実績(すべて既存店ベース/前年同月比)
国内ユニクロ事業(既存店+Eコマース)
売上高:92.5%
客数:93.1%
客単価:99.3%
しまむら
売上高:96.3%
客数:97.3%
客単価:99.0%
良品計画(直営既存店+オンラインストア)
売上高:118.6%
客数:107.8%
客単価:110.0%
アダストリア
売上高:93.7%
客数:93.1%
客単価:100.7%
ユナイテッドアローズ(小売+ネット通販 既存店)
売上高:109.1%
客数:108.2%
客単価:100.4%
ワークマン
売上高:84.4%
客数:85.5%
客単価:98.7%
バロックジャパンリミテッド
売上高:92.8%
客数:89.4%
客単価:103.8%
ワールド(既存店売上、EC除く)
売上高:92.7%
客数:非公開
客単価:非公開
オンワードHD
売上高:95.1%
客数:非公開
客単価:非公開