フリーに向けて気合の入る(左から)SP2位の千葉百音、1位の坂本花織、3位の青木祐奈(撮影・堀内翔)

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 「フィギュアスケート・NHK杯」(8日、国立代々木競技場第一体育館)

 女子ショートプログラム(SP)が行われ、世界選手権3連覇女王の坂本花織(24)=シスメックス=が今季世界最高の78・93点で首位発進を決めた。昨季世界選手権代表の千葉百音(19)=木下アカデミー=が自己ベストの71・69点で2位につけた。昨年5位の青木祐奈(22)=MFアカデミー=は自己ベスト(58・28点)を大幅に更新する69・78点で3位につけた。男子(鍵山、三浦、壺井)に続き、女子も日本勢が1〜3位を独占した。

 坂本は赤の衣装で、今季初挑戦のタンゴを熱演。SP「天使の復活/天使の死」にのり、冒頭のダブルアクセルを成功させると、続く3回転ルッツも軽やかに決めた。最後の連続ジャンプも鮮やかに着氷して、演技を終えると、納得したようにうなずいた。優勝した前戦のスケートカナダでの74・97点を大きく上回り、「78点出たのはすごく嬉しい。会場に入る前から緊張していて、メイクに支障が出るぐらい手が震えてた。(アイラインは)何回も引き直した」と胸をなで下ろした。

 演技前には、男子SPで同じ練習拠点の壺井達也(シスメックス)が自己ベストを出して殊勲の3位に入った。坂本は動画で見たといい、「(普段)一緒に練習していて、NHK杯に入るまで2人で(練習場を)貸し切りにすることが結構あったが、これでもかって思うくらい、たっちゃん(壺井)が曲をかけてかけて、曲の中で4回転サルコーを降りられるように何回も何回もやっていたので。本当にめちゃくちゃ練習していたので、その成果が出て、映像を見て涙が出そうだったが、メイクが終わった後だったので『泣いたらあかん、泣かへん』って、真下を向いて、(涙を)下に垂らして泣いた。抑えきれなくて泣いた」と笑って告白した。

 演技後の壺井と会った際には「よくやったね」「かおちゃんも頑張って」とハイタッチしたといい、「めちゃくちゃ刺激を受けた」と自身の発奮材料にした。