ハイセイコー記念を制したスマイルマンボと矢野貴之騎手

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 「ハイセイコー記念・S1」(6日、大井)

 鮮やかな逃走劇だ−。スマイルマンボが2連勝で初タイトルを奪取。「第75回全日本2歳優駿・Jpn1」(12月11日・川崎)への優先出走権も獲得した。6馬身差の2着には2番人気のシビックドリームが入り、さらに2馬身半差離れた3着は7番人気のユウユウスキーだった。

 抜群のスタートから逃げたスマイルマンボが、15頭のライバル相手にスピード&能力の違いを見せつけた。「展開が読めなかったけど、スタートがものすごく良かったので“ハナになっちゃった”って感じ」と矢野貴。2着馬のプレッシャーを終始受けていたが、3角手前では相手にステッキが入るほど。逆に涼しい顔で直線に向くと、ラスト200メートル過ぎでは差が広がって行くばかり。最後は物見をしながらも、手綱を抑える余裕で6馬身差。昨年Vのダテノショウグンの勝ちタイムに0秒1迫るパフォーマンスだった。

 母は12年TCK女王盃の覇者ハルサンサン。大井にゆかりのある血統馬は、ホッカイドウ競馬からの移籍初戦でゴールドジュニアを制したランベリーに7馬身差V。素質の良さを初めての重賞でも誇示した。主戦も「これからもレベルの高いレースを見せたい」と将来に期待を膨らませた。

 昨年重賞2勝だった坂井英師はこれが今年6勝目と絶好調。「全日本は状態次第。あくまでも来春のクラシック戦線」とキッパリ。新たな歴史を作るか。頼もしい好素材が鮮烈に名乗りを上げた。