ドル売り優勢、トランプトレードの巻き返し 明日の米大統領選を控えて=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。明日の米大統領選を控えて、トランプトレードによるドル買いに巻き返しの動きが入っている。先週末の米世論調査ではトランプ氏とハリス氏の支持率がほぼ拮抗していた。トランプ氏優勢との見方にやや懐疑的な動きがみられている。先週末の米雇用統計では非農業部門雇用者数の増加が1.2万人に留まったが、ハリケーンや大規模ストライキの影響との見方が広がったことで一過性のものとしてドル買いが広がった。しかし、米大統領選に対する不透明感が高いことから、週明けにはドル買いの動きは続かず。ドル円は151円台半ばへと軟化しており、先週末NY終値からは1.5円程度下げている。米10年債利回りは4.31%付近から4.27%台へと低下するなかで、ユーロドルは1.09台乗せへと上昇。ポンドドルは1.29台後半から1.30台手前までの推移。今週の英中銀政策金利発表では25bp利下げ観測が広がっており、ポンド相場の上値は重い。ユーロ円が165円台での振幅と方向感無く推移する一方で、ポンド円は197円台での振幅から196円台へと下放れている。このあとのNY市場では米製造業受注、米耐久財受注確報値などが発表される予定。

 ドル円は151円台半ばでの取引。週明けのオセアニア市場は152.60付近で取引を開始した。先週末NY終値153.00付近から下方向に窓を空けている。その後も上値重く推移し、ロンドン昼にかけては151.50台へと下押しされている。米10年債利回りの低下とともにドル売りの動きが広がっている。あすの米大統領選を控えて、トランプ対ハリスの支持率は拮抗しており、トランプトレードの巻き返しの面も指摘される。

 ユーロドルは1.09台前半での取引。オセアニア市場は1.0845近辺でスタート。その後は一貫して買いの流れとなり、足元では高値を1.0915付近に伸ばしてきている。総じてドル売りが優勢となっている。ユーロ円は165.22から166.03までのレンジで振幅しており、先週末終値からはやや軟化も、売買が交錯している。対ポンドではユーロ買いの動きが優勢。10月ユーロ圏製造業PMI確報値は46.0と速報値45.9からわずかに上方修正されたが、ユーロは反応薄だった。

 ポンドドルは1.29台後半での取引。1.2945から1.2999までのレンジで売買が交錯している。ポンド円はアジア朝方に197.91近辺の高値をつけたあとは上値重く推移。ロンドン時間には197円台割れから196.50付近へと安値を広げている。ユーロポンドは0.8380近辺から0.8419近辺へと上昇、総じてポンドの上値が抑えられている。今週木曜には英金融政策委員会(MPC)が政策金利を発表する。市場では25bp利下げをほぼ織り込んでいる状況。

minkabu PRESS編集部 松木秀明