1位でゴールする国学院大のアンカー・上原琉翔

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 「全日本大学駅伝」(3日、熱田神宮〜伊勢神宮=8区間106・8キロ)

 国学院大が5時間9分56秒で初優勝し、10月の出雲全日本大学選抜駅伝から大学三大駅伝2連勝とし、来年1月2、3日の東京箱根間往復大学駅伝で史上6校目となる3冠に王手をかけた。2月の大阪マラソンを制した7区の平林清澄主将(4年)だけでなく、『全員駅伝』で奮闘。6区で区間新記録を出した山本歩夢(4年)がMVPに選出された。史上初の5連覇を狙った駒大は2区で16位まで落ちたが、終盤に追い上げ28秒差の2位。6年ぶりの優勝を狙った青学大は、さらに17秒遅れて3位だった。

 『全員駅伝』でつながれたたすきは、伊勢神宮に一番に届いた。国学院大は1区から上位を維持し、5区で野中恒亨(2年)が区間賞の走りで2位に浮上。6区の山本が区間新で、先頭の青学大と4秒差に詰め寄ると、平林がその差をキープ。最終8区の上原琉翔(3年)が10キロ手前で前に出て、追い抜いた。圧巻の逆転初優勝に、前田康弘監督(46)は「『全員駅伝』の勝利だった。8人が役割を果たしたから総合力で日本一になれた」と褒めちぎった。

 大エース・平林は「チームはいい意味でとがっている」という。活躍に刺激された後輩たちは、先輩相手でも「絶対勝ちますから!」と勢いよく宣言する。練習から風呂まで、その場所は問わない。「常に首に鎌をかけられていて、狩られる勢いがある」。平林自身も区間2位に涙するほど、駅伝への思いは膨らんでいる。

 山本は「平林だけと思われたくない、とみんなが思っている。今回、一人一人が役割を担って全員で(そうじゃないと)証明できた」と胸を張った。3冠まであと一つ。成長が止まらない国学院大が、来年1月の箱根路も制す。