菅野智之投手の去就は(写真:アフロ)

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巨人・菅野智之が今オフに海外FA権を行使し、メジャーに挑戦する意向を表明した。

20年オフのポスティング移籍は、契約合意に至らず

昨季(2023年シーズン)は4勝8敗と自己ワーストの成績に終わり、「限界説」がささやかれたが、今季(2024年シーズン)は見事に復活した。

開幕から先発ローテーションで稼働し、24試合登板で15勝3敗、防御率1.67をマーク。最多勝、最優秀勝率に輝いた。菅野の活躍なしに4年ぶりのV奪回は達成できなかった。

直球は常時140キロ後半と全盛期に比べて球は落ちたが、スライダー、カットボール、ツーシーム、フォーク、カーブと精度の高い変化球で打者を打ち取る。得点圏に走者を背負っても決定打を許さない。

菅野は20年オフにもポスティングシステムでメジャー移籍を模索したが、当時はコロナ禍で各球団の財政状況が厳しく、条件面で好待遇を得られなかったため契約合意に至らなかった。

「資金力が豊富な球団は補強費をつぎ込める」

メジャーを取材するライターは、

「現在は状況がまったく違います。資金力が豊富な球団は補強費をつぎ込めるので、日本で実績十分の菅野に獲得を示す球団が多いのでは。35歳という年齢を考えると長期契約は難しいが、それは菅野も理解しているでしょう」

と分析。球団選びのポイントについては

「今年の復活劇を支えたのは、全試合先発マスクをかぶった小林誠司の存在が大きかった。メジャーでもバッテリーを組む捕手との呼吸が大事になってくる。強力な相棒が見つかれば活躍できますし、球団選びの上で重要なポイントになってくると思います」

と語る。

ナ・リーグの優勝決定シリーズでドジャースに敗れたメッツは、今オフに手薄な先発の補強に動くとみられる。菅野は有力候補になるだろう。

ほかにもレッドソックス、レンジャーズ、ツインズなどはチームの立て直しに向けて先発陣強化の優先順位が高い。菅野の去就が注目される。(中町顕吾)