eill、2年ぶり全国ツアー完走
eillが10月18日に東京国際フォーラム ホールCにて、約2年ぶりとなる全国ツアー<BLUE ROSE TOUR 2024>のツアーファイナルを開催した。
◆ライブ写真
約2年半ぶりのツアーファイナルを待ち侘びたファンが今か今かとeill登場を待つ中、突然目覚まし時計のアラームが会場中に響き渡る。アラームと共にメンバーが入場するとすかさずBGMを演奏し始め、どこか懐かしさを感じるレトロなナレーションが始まった。まるで昭和、いやそれよりも昔に放送されていた朝のラジオを聞いているかのようなそのナレーションでライブの始まりが告げられると、eillが入場。「みんな、おはよう!」と言わんばかりに挨拶代わりの1曲「BAE」でツアーファイナルのスタートを切った。
思わず一緒にクラップしたくなるような小気味良いリズムが特徴の「BAE」を軽やかに歌唱し終わると、続けてeillを代表するアッパーチューンである「FAKE LOVE/」で、聴衆を早くもノリノリにさせる。演奏に合わせた横ノリで会場に一体感をもたらすと、間髪入れずに「罠」を披露。爽やかな朝の始まりかと思えば、すでに会場の景色はキラキラとしたおしゃれな夜を思わせる景色に変わっており、聴き手を魅了する罠のようなeillの術中にまんまとハマっていることに気づいた時には、すでに3曲が終わっていた。
「さあ、<BLUE ROSE TOUR 2024>東京ファイナル、やってきましたが、みなさん元気ですか!」と挨拶すると、久々の顔ぶれと初めての顔ぶれが並ぶ会場の景色を見て顔を綻ばせる。「全員いけますか! OK! レッツゴー!」と会場を煽ると「25」のイントロのギターが鳴り響き始めた。
「ただのギャル」では、楽曲のタイトルからは想像もつかない壮大かつ刺々しいサウンドで各メンバーが見せ場を作ると、その後は「Succubus」と「初恋」のマッシュアップで、再びeillの持つ大人っぽく艶やかな世界へと聴衆を誘った。まるで酒気を帯びたような大人の世界観を維持しながら、しっとりとしたピアノのフレーズが耳を打つと、それは昨年シーズン1が配信されて大きな話題となったAmazon Prime Videoの恋愛リアリティ番組「ラブ トランジット」シーズン1にて何度も耳にした「happy ending」のイントロであった。音源とはまた違った生演奏の心地良いリズムと共にチルなサウンドが会場を包み込むと、番組の中で聴いていたあの景色とはまた違った情景を見せてくれた。
目まぐるしく雰囲気が変わるセクションを駆け抜けると、ライブは今回の目玉ともなる「Home Session」パートに突入。「みんなを、私がいつも曲を作っているお部屋にお招きするというコンセプトでやっていこうと思います」ということで、バンドメンバーたちもそれまでの立ち位置を離れて、今回の舞台の中央に作られたルームセットに集結する。キーボードやドラムがタイニーインストゥルメンタルに持ち替えたりしながら、ホームセッションを準備している中、「今回、事前にみんながこのツアーでeillに何を歌って欲しいかインスタで聞いたのですが、箱の中にみんなが歌って欲しい曲の候補が入ってます! この中から釣り形式で選んでいきたいと思うのですが、みんな何が聴きたいですか?」とeillが質問をすると、ファンからは思い思いのリクエストが飛び交った。
eillはここで今日のために持参したという双眼鏡を手に取ると「今日ね、私みんなの顔が見たくて。双眼鏡を持ってきたの!」と言って、会場を見渡す。双眼鏡越しに「めっちゃ見える! 毛穴まで見える! みんな手を振ってるよ! やっほー!」と言ってはしゃいでいる姿に、eillの親しみやすいキャラクターが滲み出ていた。まるで自分の家に友達が集まって他愛もない話をしているかのようにバンドメンバーがユーモアを交えて自己紹介をすると、ホームセッションの1曲目をeillが釣り上げた。最初に「プレロマンス」を引き当てると、いつものバンドアレンジとは一味違った暖かさのあるアレンジで披露。
続けて釣りを担当したのはギターのカイトで、「釣りうまそう!」とメンバーに煽られるカイトが引き当てたのは「20」。eillが「ここは家族団欒コーナーで、みんな家族だから一緒に歌ってください!」と言って演奏を始めると、会場からはあたたかいクラップと合いの手が混ざり、ステージ上だけでなく、会場全体で音楽が作り上げられるセッションコーナーとなっていった。「20」を披露し終わり、次に釣り上げれたのは「星」マーク。「星はこの会場にいる皆様が聴きたい歌を歌うというなんとも危険なものです!」とeillが説明する。ギターのサトウカツシロが「1階〜3階席まで聴きたい曲をそれぞれ聴いていくのはどう?」と提案すると、ファンはそれぞれ声を大にして聴きたい曲を主張していく。様々な楽曲がリクエストされる中「palette」「踊らせないで」「MAKUAKE」「special girl」の厳選された4曲が披露された。
ホームセッションという名の下にeillの家でくつろいだあと会場が暗転する。一本のスポットライトが照らされるとそこにはキーボードの前に座ったeillの姿が。「夏の終わりに書いた、片っぽな恋の歌を届けます」と口にすると、eill珠玉のバラードソングである「片っぽ」を弾き語りで披露した。「片っぽ」をソロで高らかに歌い上げたのちに、ステージセットとして置かれていた3台のテレビに幻想的な映像が映し出される。映像とともにアンビエントのような幻想的な音に会場が包み込まれるとそのまま「happy ever after」へ突入。ピアノの伴奏とともにしっとりと歌い始めると、楽曲は後半にかけて次々とその様相が変化していく。2番からバンドが入ってくると、フィナーレに向けて会場には収まりきらないほどの荘厳な音の膜が満たされていく。
ラストパートに向けて盛り上がりきった果てに全ての音が切れたのち、再びピアノ伴奏と共にエンディングで「わたしを置いていってよ。」と語りかけるパートは、恋愛だけに限らず自らを縛り上げてきた過去のしがらみからの解放を後押ししてくれるようなメッセージギフトにも捉えられるような圧巻の表現であった。
ライブはいよいよクライマックパートに突入する。eillの代名詞とも言える「SPOTLIGHT」を披露し、会場に来た一人一人をeillの言葉で照らして人生を後押しすると、「革命的奇跡をいまここではじめてみようか」というメッセージとともにこの会場に集まったファンと一緒にこれからも突き進んで色々な景色を見ていきたいと言わんばかりに「23」で会場のボルテージを押し上げていく。すでに熱気を帯びた会場の空気を「ここで息をして」でさらに加熱すると、最後は「WE ARE」の大合唱で本編を締め括った。
鳴り止まないファンからのアンコールに答える形で再びステージに登場すると、現在放送中のフジテレビ月9ドラマ『嘘解きレトリック』の主題歌にもなっている最新曲の「革命前夜」をライブアレンジで披露した。新曲にも関わらず、すでにノリがわかっているかのように会場のファンと共に一体感のある歌唱で沸かせると、2曲目にはこちらもニューアルバム『my dream box』に収録されている新曲「Baby, with u」を披露した。「Baby, with u」 は、友人向けて書いた楽曲ということもあり、他でもない今日この会場に集まった大切な友人(ファン)に向けて「いつでもそばにいるよ」という想いを一人一人に届けるように客席に降りて丁寧に歌唱した。
そして今日のライブの終演を惜しむかのように「すごくすごく幸せな時間でした。今日というものは本当に今日しかなくて、時間って沢山あるように見えてあっという間に過ぎてしまうから、そのみんなの大切な時間を今日私のライブを観に来ることに選んでくれて本当に嬉しくて。私にとってかけがえのないものです。ありがとう」と感謝の気持ちを紡ぐと、アンコールの最後には、ツアー、そして本公演の終幕として「フィナーレ。」を熱唱し大団円の中ツアーファイナルを終えた。
<BLUE ROSE TOUR 2024>はこのあと台湾と韓国にて追加公演を控えている。追加公演のチケットは残りわずかとなっている。
写真◎ tatsuki nakata
セットリスト
2. FAKE LOVE/
3. 罠
4. 25
5. ただのギャル
6. Succubus〜初恋
7. happy ending
8-13. Home Session
プレロマンス
20
palette
踊らせないで
MAKUAKE
special girl
14. 片っぽ
15. happy ever after
16. SPOTLIGHT
17. 23
18. ここで息をして
19. WE ARE
EC1. 革命前夜
EC2. Baby, with u
EC2. フィナーレ。
<BLUE ROSE TOUR 2024>追加公演
開催日:2024年11月3日(日)
開場時間:17:00
開演時間:18:00(時間調整の可能性あり)
会場:Hana Space
チケット購入に関して
https://welcome-music.kktix.cc/events/9708da19
・eill BLUE ROSE TOUR 2024 in SEOUL(韓国公演)
開催日:2024年11月23日(土)、11月24日(日)
開場時間:18:00
開演時間:19:00
会場:musinsa garage
・チケット購入に関して
韓国で発行のクレジットカードより購入
https://tickets.interpark.com/goods/24011015
韓国以外の国で発行のクレジットカードより購入
https://www.globalinterpark.com/ja/product/24011015?prdNo=24011
※11月23日(土)と11月24日(日)は、それぞれ公演内容が異なります。
関連リンク
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