東京の本当うまい「味噌・豚骨ラーメン」ベスト3店…濃厚スープに悶絶《船堀・初台・高田馬場》で「究極の一杯」を発見
長く愛される味には人を惹きつけてやまない魅力がある。「東京のうまい《味噌・豚骨ラーメン》ベスト3店の「究極の一杯」…芳醇なスープが絶品「金町・九段下・池袋」で覆面調査」に引き続きここでは、約20年以上続く名店を中心にご紹介。新店のルーツともいえる味もあり、深遠なる世界を感じられるはず。
味噌ラーメン編
船堀「大島」
札幌の名店『すみれ』で12年修業し、2013年11月に独立オープン。実力が認められ、都内ではじめてのれん分けを認められた店だ。足を踏み入れると、味噌とにんにくの匂いに包まれてテンションが上がる。ひと口食べれば、ぷりんと歯切れのいい中細ちぢれ麺によく絡むコク深いスープに悶絶。
「鍋で味噌ともやし、玉ねぎをじっくり焼き付けるのがポイントです。たっぷり入れているニンニクや生姜の独特の匂いを飛ばしながら、香ばしさと旨みを際立たせるんです」と店主の大島剛史さん。確かにパンチはあるが後味はスッキリとして、箸がぐんぐん進んでしまう。
初台『らぁめん 一福』
お酒を呑んだ〆を筆頭に、ラーメンのおいしいシチュエーションってのは、いくつかある。それでいうと、こちらの味噌ラーメンは、人恋しいときに食べたい。店主の石田さんの人柄も含め、やさしく包み込んでくれるからだ。味噌汁を思わせるスープを飲むと、相好が崩れる。
豚骨、鶏ガラ、モミジ、豚足、背脂といった動物系のコクに、和風ダシや香味野菜が入ることでやさしい味に仕上がっている。軽くウェービーな麺はすすり心地とのど越しよし。底にたまった味噌を混ぜて食べ、甘みや旨みを感じながら完食した。32年前に初台で開店し、ほど近くに移り12年。長く愛されているのも納得である。
豚骨ラーメン編
高田馬場「麺友 一誠」
店を切り盛りするのが、奄美群島・徳之島出身の店主・松田秀康さんと姉のかつみさん。二人三脚で守った看板は今年で21年目に突入した。そんなこちらのラーメンは、豚骨に鶏ガラを合わせて炊いたライト系。博多風とは異なるやや太めの麺がいい塩梅に絡み合う。
さらにチャーシューだ。地元から取り寄せた皮付き肉で作るそれは、コラーゲンを含んだぷるんとした口当たり。厚切りを3枚も乗せて、いまどき780円という値段にも恐れ入った。夜には一品料理も加わって、それらをつまみに奄美の黒糖焼酎で晩酌するのも大いにあり。普段、何気ない日にふらりと訪れたくなる1軒なのだ。
…つづく「東京の本当うまい「町中華のラーメン」ベスト6店…なんと一杯《600円》、スープ絶品《浅草・大森・人形町・大井町・千歳烏山・清澄白河》で覆面調査隊が発見」では、あまたひしめく町中華のなかから、おいしいラーメンの店を紹介します。
『おとなの週末』2023年2月号より(本内容は発売当時のものです)