某有名ブランドのデザインに似ているの声も「むしろこっちが本家」時代・国を越えた和柄が話題に
時代をこえて魅力を放つ和柄の高いデザイン性がSNS上で大きな注目を集めている。
「こちらの帯『某ブランドの柄に似てますね』と言われることがありますが…
なにをおっしゃる
この柄は1200年前の琵琶の螺鈿細工がモチーフです。
むしろこっちが本家です。」
と一本の帯を紹介したのは呉服店「神戸・元町 丸太や」の店主、三木弦(みき・ゆずる)さん。
紫紘の西陣織袋帯。規則的に花柄が散りばめられたそれはたしかにルイ・ヴィトンの代表的デザイン「モモノグラム・キャンバス」に似ている気もする。しかしこれは奈良・正倉院収蔵の琵琶のデザインを取り入れた模様で、琵琶の螺鈿細工は七色に光るオーロラ箔を使って再現しているのだそうだ。
太古のデザインを踏襲しながら、現代に通ずる魅力を持つ奥深い和柄の世界。SNSユーザー達からは
「某ブランドは約100年前のパリ万博で日本の家紋を見てインスパイアされたことは有名なお話ですから☺️」
「某ブランドは、日本の市松模様に対して商標権侵害を訴えて負けましたが、おそらく日本の埴輪の方が先でしょうに。」
「1200年前の細工をモチーフにしているのに、今見ても可愛く感じます♡素敵な帯ですね。」
など数々の驚きの声が寄せられている。
三木さんに話を聞いた。
ーー和柄の魅力とは?
三木:着物は模様の表現が多彩で、柄の種類も豊富なのが魅力です。また着物の模様には一つ一つ意味があります。健康や長寿、繁栄、円満など幸せを願うものや、季節の変化を匂わせるものなど、模様の意味を感じられるのも着物の模様ならではだと思います。
そして、今回の投稿のように、模様を通して日本と世界の文化の繋がりを感じられるのも素敵です。着物の模様にはシルクロードなどで異国からもたらされたものが数多くありますし、逆に日本の文様が海外に影響を与えたこともありますし、模様の由来を知れば遠く離れた文化との繋がりを感じられます。
ーー反響へのご感想を。
三木:たくさんの人に興味を持っていただけて嬉しいです。これをきっかけに「着物って面白いな、着てみようかな」と思ってくださる方が増えるといいなと思います。
◇ ◇
市松、亀甲、鱗、唐草などよく知られたもの以外にも和柄には数々の優れたデザインがある。また現代進行形でこれまでなかった斬新なデザインも生み出されている。ご興味ある方はぜひ呉服店や展示会などに足を運んでいただきたい。
(よろず~ニュース特約・中将タカノリ)