78戦ダウン未経験だった猛者を沈めた中谷潤人 衝撃のTKOにペッチの母国メディアも愕然「何も抵抗なんてできない」

果敢に戦い続けるペッチを冷静に見定め、リングに沈めた中谷。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

　衝撃は文字通り世界に広まった。

　10月14日、東京・有明アリーナでボクシングのWBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦が行われ、王者の中谷潤人（M.T）が同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ（タイ）に6回2分59秒TKO勝ち。2度目の防衛を達成した。

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　タフネスぶりを発揮する相手も容赦なく“打ちのめした”。

　開始から距離を測るようにしながら、的確にパンチを出した中谷は、プロキャリア78戦で一度もダウンがないというペッチの綻びを探る。その中で王者は、6回に勝負を決める。強烈な左のカウンターをヒットさせると、相手が一瞬だけひるんだ刹那、右、左と交互に10発の猛ラッシュ。これにはタイのタフガイもたまらず膝をついた。

　これで完全に勢いに乗った中谷は一気呵成に攻める。そして6回終了まで約7秒となったところで、強烈な左フックが炸裂。追撃の左右のパンチも食らわせ、ペッチはリングに沈んだ。

　鮮烈なTKO劇で王座防衛を果たし、「ネクストモンスター」と言われる偉才ぶりを存分に見せつけた。そんな中谷の強さにはペッチの母国でも驚きの声が広まった。タイの大手放送局『Siam Sport』は「勇敢なタイ人チャレンジャーのいつも通りに戦った。彼はリングに立ち続けたが、次第に我慢ができなくなり、ナカタニの追撃に成す術がなくなった」と総括。

　また、タイの日刊紙『Sanook』も「何も抵抗なんてできない」と両者の実力差を強調。「ペッチは自身のタフさを示し続けたが、ナカタニの前では無力だった。重く、素早いワンツーパンチを正確に繰り出した日本人王者は絶好のチャンスを逃さず、6回に完璧な流れから左フックを炸裂させて試合を終わらせた」とリポートした。

　今後に向けては「統一戦がやりたい」と語った中谷。井上尚弥（大橋）との将来的な“世紀の一戦”も囁かれる26歳には熱視線が注がれている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]