【大量の児童ポルノを所持し…】園児7人にわいせつ行為の元保育士が明かした「衝撃の犯行手口」

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本当の動機は……

「警察は、あなたが使っていたパソコンの中から600件近い児童ポルノの画像や動画を発見しましたね? あなたが高校生のときに使っていた、iPhoneのiCloudのデータからは、2000枚近くの児童ポルノ画像と、400件近い児童ポルノ動画が発見されてますね?」

検察官が質問すると、「はい。警察からもそう伺っていますし、私の記憶ともほぼほぼ変わりありません」と長田凪巧被告(おさだなぐみ・27)は素直に認めた。

長田被告は、勤務していた都内2ヵ所の認可保育園で、7人の園児(起訴された順にA〜Gちゃん)に性的暴行を加えてその様子を撮影したとして、強制性交等や児童ポルノ禁止法違反などの罪に問われている。

高校時代から児童ポルノを見て興奮するようになり、画像や動画を集め始めたという。押収された画像や動画には、未就学児から高校生くらいの年齢の女の子が映っていた。

逮捕後しばらくの間、長田被告は警察の取り調べに対し、「家族から性的虐待を受けていた。園児に同じことをすれば、その家族の気持ちがわかるかもしれないと思って、やった」と供述していた。検察官に真偽を問われると、一度は「答えたくありません」と拒んだものの、「被害者やそのご家族に対して、申し訳ないと思っているのであれば、本当のことをここで話すべきではないですか?」とうながされ、「そういう話をすれば、同情されるかなと思いました」と、性的欲求が動機であることを認めた。

ただ、犯行回数については記憶が曖昧だと明言を避け、計画性についても認めなかった。

最初の被害者であるGちゃんは「3〜4回、被害に遭った」と訴えているが、長田被告は「私は1回しか記憶にないですが、ただ記憶にないだけで、複数回に及んでいるのかもしれません」と否定はしないものの、「他の園児にも同じような犯行に及んでいますので、はっきり思い出せません」とし、「Gちゃんの次にFちゃんをターゲットに選んだ理由は?」という質問には、「漠然と、Fちゃんならできるかなと思っただけです。これといった理由は、申し訳ないですが、ないです」と主張した。

話は平行線をたどり……

父親が園長を務める保育園に勤務してからは、担任クラスは持たずに保育業務の補助をしていたことから、昼寝の時間に犯行に及んでいた。寝ずに起きていた園児を注意するという名目で押し入れなどに呼び出し、目隠しをして性的暴行を加えるという手口だった。

ただ、「プラレールの部品がない」と言って呼んだCちゃんにだけは、犯行目的で押し入れに呼んだことを認めたが、残りの4人に対しては、あくまで「注意するために呼び出しただけです」と否定。結果として犯行に及んだと身勝手な言い訳に終始した。

「実家の保育園を継ぐというプレッシャーをずっと感じていました。いよいよ世代交代の秒読み段階に入っているなかで、自分を止められない怖さがありました。誰かに相談することも、病院に行くこともできず、どうしようもない状態で仕事を続けていました」

犯行を重ねた背景に、事業を継ぐプレッシャーがあったと説明した。

被害者家族の代理人による質問にも、のらりくらりと答えた。

「被害者への弁償より、元妻への財産分与を優先したのではないか」と聞かれれば「家を売ればお金になるという発想がなかった」「抵当権…?(意味が)わかりません」

保育園に大切なお子さんを預けた親御さんたちに対して、いま、どう感じていますか?」との質問には「私のような頭のおかしい人間が危ないだけであって、保育園というところは本当は安全なところですし、安全であるべき場所なのです」と言ってのけた。

話が噛み合わないまま、被告人質問は幕を閉じたのだった。

公判は、次回10月15日で結審する予定だ。

取材・文:中平良