生活困窮世帯の6割が単身世帯 ※画像はイメージです(naka/stock.adobe.com)

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生活困窮世帯の6割が単身世帯…そんな調査結果が、特定非営利活動法人日本もったいない食品センター(大阪府摂津市)による調査でわかりました。

【調査結果】世帯人数には顕著な傾向が

調査は、2024年3月〜8月の期間において、同NPO法人のウェブサイトより生活困窮による理由で食料品支援を応募された個人1812件の申告を集計したといいます。

まず、食料品支援を要請した人の「居住地」を集計したところ、エリア別の人口割合よりも多くの申請を受け付けた「関東」(36.6%)が最も多く、次いで同NPO法人の活動拠点である「近畿」(24.6%)が続きました。

続いて、食料品支援を要請した人の「世帯人数」を集計したところ、「単身世帯」(60.0%)が最も多く、次いで「二人世帯」(17.5%)、「三人世帯」(11.7%)、「四人世帯」(5.8%)、「五人以上世帯」(5.0%)が続きました。

また、二人以上世帯(723件)のうち、57.3%が「ひとり親家庭」となり、全体の22.8%を占めていることがわかりました。

さらに、「自身の障がいまたは家族の介護を要する世帯(※)」は、全体の23.6%となっています。
(※)特別障がい害者手当、心身障がい者福祉手当、障がい児福祉手当、障がい者年金等を収入申告に含めた人、障がい者手帳が発行されている旨を記載された人、同居家族の介護をしている旨を記載された人、具体的傷病名とともに就労ができないまたは止められている旨を記載された人。

食料品支援申請者の年齢分布をみると、単身世帯では「18歳〜30歳」(354人)と「56歳以上」(141人)で6割を占め、「36歳〜45歳」の年代では単身世帯(148人)よりも「ひとり親家庭」(170人)からの申請が上回りました。

また、「収入の有無」を集計したところ、全体の32.4%が「収入が無い」ことが判明。一方、「収入が有る」人は67.6%で、平均は「14万3917円」でした。

そのうち、単身世帯の平均収入は「11万6538円」、ひとり親家庭の平均収入は「16万6750円」、自身の障がいまたは家族の介護を要する世帯の平均収入は「14万1924円」となっています。
(※)30万円以上の収入申告がある家庭の中にはひとり親且つ多子世帯で特別児童扶養手当の支給がある例などを含みます。

一方、「支出の申告」を集計したところ、単身世帯の平均的な支出は「9万4300円」、ひとり親家庭では「11万8057円」、自身の障がいまたは家族の介護を要する世帯では「10万6810円」という結果となりました。

「支出の申告」のうち、「食費」について「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)」の平均結果の概要によると、単身世帯の食料の消費支出が「4万6391円」に対して、食料品支援要請者の単身世帯の平均は「2万4444円」、二人以上の世帯の食料の消費支出が「8万6554円」に対して、食料品支援要請者のひとり親家庭の平均は「3万2664円」と、食料品支援を要請する人と全国平均の支出額の乖離がみられました。

また、「光熱費」については、「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)」の平均結果の概要によると、単身世帯の食料の消費支出が「1万3045円」に対して、食料品支援要請者の単身世帯の平均は「1万4098円」、二人以上の世帯の食料の消費支出が「2万3855円」に対して、食料品支援要請者のひとり親家庭の平均は「2万2297円」と、こちらは全国平均に近い支出額となっています。

「通信費」については、「総務省家計調査2023単身世帯」「総務省家計調査2023二人以上の世帯」によると、単身世帯の通信費の消費支出が「6610円」に対して、食料品支援要請者の単身世帯の平均は「1万1230円」、二人以上の世帯の通信費の消費支出が「1万2195円」に対して、食料品支援要請者のひとり親家庭の平均は「1万4851円」となり、二人以上の世帯が全国平均に近い支出額となったものの、単身世帯では食料品支援要請者のほうが全国平均より69%も高い結果となりました。

最後に「住居費」についてみると、「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)」の平均結果の概要によると、単身世帯の住居費の消費支出が「2万3815円」に対して、食料品支援要請者の単身世帯の平均は「4万4528円」、二人以上の世帯の住居費の消費支出が「1万8013円」に対して、食料品支援要請者のひとり親家庭の平均は「4万8244円」と、家計調査平均より高い金額になりました。なお、同NPO法人では、生活保護の住宅扶助と相殺して住居費無しと申告される例があることから、住居費無しを含まない数値で平均値を計算しているそうです。