現地時間の2024年10月7日、シングルボードコンピューターを開発するRaspberry Piが公式microSDカードとなる「Raspberry Pi SD Cards」を発表しました。Raspberry Piが公式からmicroSDカードを発売する理由は、最新のRaspberry Pi OSでRaspberry Pi 5がクラス2(A2)のSDカードに対応したためです。

Raspberry Pi SD Cards and the Raspberry Pi Bumper: your new favourite accessories - Raspberry Pi

https://www.raspberrypi.com/news/sd-cards-and-bumper/



◆Raspberry Pi SD Cards

シングルボードコンピューターのRaspberry Piでは、ストレージにSDカードを使用するため「どのSDカードを使うかが、Raspberry Piの体験に大きな違いをもたらす」とRaspberry Pi公式は主張しています。これまでRaspberry Piは認定再販パートナーと協力し、サードパーティー製のSDカードをテスト・推奨してきましたが、高速な読み書きが可能なA2規格に対応したSDカードの登場により、このプロセスはますます面倒なものになっているそうです。

そこで、Raspberry Piは可能な限り低コストで最高の体験を実現するため、Longsysと協力して自社ブランドのSDカード「Raspberry Pi SD Cards」を開発しました。Raspberry Pi SD CardsはA2に対応しているため、あらゆるRaspberry Piで優れた読み書き性能を発揮するだけでなく、Raspberry Pi 5ではコマンドキューイング(CQ)を利用することでさらに高いパフォーマンスを実現することが可能です。



Raspberry Pi 5でA2に対応したRaspberry Pi SD Cardsの最高のパフォーマンスを発揮するには、Raspberry Pi OSを最新バージョンにアップデートし、SDカードを明示的にCQモードにする必要があります。CQにより、フラッシュコントローラーは異なるNANDフラッシュページへのアクセスに関連するレイテンシーを隠すことが可能となり、理論上はRaspberry Pi OSによって生成される種類のランダムI/Oワークロードのスループットが向上します。



なお、Raspberry Pi SD Cardsはランダム4KB読み取りパフォーマンスがRaspberry Pi 4なら3200IOPS、Raspberry Pi 5なら5000IOPS、ランダム4KB書き込みパフォーマンスがRaspberry Pi 4なら1200IOPS、Raspberry Pi 5なら2000IOPSです。ストレージ容量は32GB・64GB・128GBのものが用意されています。

Buy a Raspberry Pi SD Cards - Raspberry Pi

https://www.raspberrypi.com/products/sd-cards/



◆Raspberry Pi 5用Raspberry Piバンパー

さらに、Raspberry Pi 5用のRaspberry Piバンパーも登場しました。スナップオン式のシリコンベースで、Raspberry Pi 5のベースとエッジ、設置面をすっきり保護して電源ボタンも使いやすくなります。Raspberry PiバンパーはRaspberry Pi Active Coolerと互換性があり、価格はわずか3ドル(約440円)です。