強盗致傷などの容疑で逮捕された森田容疑者=2024年10月8日午前3時3分、所沢署、浅田朋範撮影

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 東京、埼玉で相次ぐ強盗致傷事件で、埼玉県警は7日夜、公開指名手配していた住所職業不詳、森田梨公哉(りきや)容疑者(24)を強盗致傷と住居侵入容疑で逮捕し、発表した。

 県警は認否を明らかにしていない。

強盗致傷などの疑いで公開指名手配された森田梨公哉容疑者=埼玉県警提供

 捜査1課によると、森田容疑者は他の人物らと共謀して1日未明、所沢市の住宅で80代の夫婦を縛るなどしてけがをさせ、現金約8万円を奪った疑いがある。4人が住宅に押し入ったとみられ、3人はすぐに逮捕されていた。

 捜査関係者によると、森田容疑者は「4人でガラスを割って入った」「生活がぎりぎりで、生活費が欲しくてやった」と供述。「報酬を受け取る約束で所沢に行ったが、強盗を指示されて断れなかった」とも供述しているという。前日の9月30日未明に東京都国分寺市で起きた事件への関与も示唆しているといい、県警は、国分寺市の事件の報酬をもらうために所沢市に行ったとみて調べている。

 森田容疑者は所沢市の現場から逃走後、東京都小平市のJR新小平駅付近に行き、タクシーで東村山市内に移動。さらにタクシーを複数回乗り換えて埼玉県内を転々とし、JR大宮駅から新幹線に乗って1日深夜に仙台駅に到着したという。

 7日午後4時ごろ、新潟県柏崎市で同県警の警察官が特殊詐欺に関与したとみられる男に職務質問したところ、自ら「森田梨公哉」と名乗ったという。

 両都県では9月中旬以降、SNSなどを通じて緩やかに結びつく「匿名・流動型犯罪グループ」(匿流)による強盗致傷事件が4件相次ぎ、これまでに実行役の男ら約10人が逮捕されている。県警は、男らが闇バイトに応募して集まったとみている。(浅田朋範、恒川隼)