10月某日の夜、都内某所でおこなわれたドラマ撮影に姿を見せたのは、俳優の林遣都だった。

 日が落ちてから、本格的に動き出した撮影現場では、スタイリストやヘアメイクが細かに林の格好に手を加える様子が見られた。

「現代劇ではないのか、この日の林さんの衣装はちょっと古臭い感じのブルゾンに黒いパンツという格好でした。ただ、驚いたのは、大胆な “イメチェン” でしたね」(通行人)

 それもそのはずだ。爽やかなイケメンの印象が強い林だが、この日に見せていたのは、長い黒髪のロン毛と少しふっくらした顔立ちだったから。

 映像制作会社スタッフがこう話す。

「今回のドラマは、主役ではなく、脇で華を添えるような役柄になります。そのため、少し “キャラが濃い” 設定になっていますね。実は、近頃、林さん自身も役選びについてかなり心境が変わった部分があるんです」

 17歳のときに映画『バッテリー』の主演でデビューした林の転機は、2016年からテレビ朝日系で放送されたドラマ『おっさんずラブ』シリーズだろう。田中圭が演じる営業部員の主人公に、だんだんと思いを募らせる同僚社員を演じていた。

「2018年に放送された連続ドラマ『おっさんずラブ』のシーズン1は、深夜ドラマにもかかわらず、最終回に向けて視聴率が右肩上がりで、大きな注目のなか幕を閉じました。

 ただ、この時期は、林さんなりに葛藤があったようで、『このままだと “イロ” がついてしまうのではないか……』との思いを抱いていたようです」(同)

 林はシーズン1の続編となる劇場版には出演したものの、田中と吉田鋼太郎が続投した、まったく別ストーリーのシーズン2には出演していない。しかし、2024年に放送された、シーズン1の続きとなる連続ドラマ『おっさんずラブ‐リターンズ‐』には再登板している。

「2021年、元AKB48の大島優子さんと結婚して以降、プライベートが安定したことで、役者業へのささいな不安がなくなったようです。どんな役でも、自分になぜこの役が来たのかをまず考え、『オファーの意図を読み取りながら台本を読むことを、心がけるようになった』と話していました」(同)

 真摯に仕事に向きあう、林の今後の活躍が楽しみだ。