「スキルス胃がん」を発症すると「背中」にどんな痛みを感じる?初期症状も医師が解説!

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スキルス胃がんを発症すると腰にどんな痛みを感じる?Medical DOC監修医が背中のどこに痛みを感じるか・初期症状・原因・検査法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

≫「スキルス胃がんになりやすい人」の特徴はご存知ですか?代表的な症状も解説!

監修医師:
齋藤 雄佑(医師)

日本大学医学部を卒業。消化器外科を専門とし、現在は一般外科、消化管内視鏡検査、生活習慣病を中心に診療を行っている。現在は岩切病院、高砂内科・消化器科クリニックに勤務。
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。

「スキルス胃がん」とは?

スキルス胃がんは、胃がんの一種です。一般的な胃がんとは異なり、胃の壁が硬く厚くしながら広がる特徴があります。また一般的な胃がんと異なり、男性よりも女性に多いという特徴があります。また内視鏡では診断が難しい場合があります。スキルス胃がんは進行が早く、発見時にはすでに他の臓器に転移しているケースも少なくありません。

スキルス胃がんを発症すると背中にどんな痛みを感じる?

スキルス胃がんは、進行すると背中に痛みを引き起こすことがあります。ここではスキルス胃がんの背中の痛みについて解説します。

鈍痛

スキルス胃がんによる背中の痛みは、多くの場合、鈍い痛みとして感じられます。鋭い痛みや刺すような痛みではなく、持続的な重苦しさや不快感を伴うことがあります。

持続的な痛み

スキルス胃がんが進行するにつれて、背中の痛みも悪化していく傾向があります。初期は軽度の痛みでも、放置すると耐え難い痛みになる可能性があります。

夜間や安静時の増悪

スキルス胃がんによる背中の痛みは、夜間や安静時に悪化することがあります。これは、がんの進行に伴い、神経への圧迫や炎症が悪化するためと考えられます。

スキルス胃がんを発症すると背中のどこに痛みを感じる?

スキルス胃がんは、進行すると背中に痛みを引き起こすことがあります。ここではスキルス胃がんの背中の痛みの場所について解説します。

背中の中央部

スキルス胃がんによる背中の痛みは、背中の中央部に現れることが最も一般的です。これは、胃が背中の中央部に位置し、がんが進行すると周囲の神経や組織を圧迫するためと考えられます。

肩甲骨の間

スキルス胃がんが進行すると、肩甲骨の間にも痛みを感じる場合があります。これは、がんが横隔膜や肺に浸潤し、神経を刺激するためと考えられます。

腰部

スキルス胃がんがさらに進行し、腹膜やリンパ節に転移すると、腰部にも痛みを引き起こす可能性があります。腰痛は、がんが腰椎や仙骨神経を圧迫することで発生します。
このような症状が出現したら、まずは内科を受診しましょう。胃がんの検査を希望する場合は消化器内科を受診します。消化器内科医は、内視鏡検査や画像検査を行います。

スキルス胃がんを発症し背中の痛みも伴う場合のステージ分類とは?

スキルス胃がんのステージ分類は、がんの進行度合いを表し、治療方針の決定に重要な役割を果たします。ステージは、がんの大きさ、深さ、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無などを総合的に評価して決定されます。

ステージIII~IV

スキルス胃がんは進行が早く、発見時にはすでにステージIIIやIVに達しているケースも少なくありません。背中の痛みを伴う場合は、がんが進行している可能性が高いため、早期の診断と治療が重要です。背中の痛みに加えて、吐き気、嘔吐、食欲不振、体重減少などの症状が併発する場合があります。これらの症状は、スキルス胃がんが胃の機能を低下させたり、他の臓器に転移したりすることで引き起こされます。

スキルス胃がんの前兆となる初期症状

スキルス胃がんは、初期症状に乏しいことが特徴ですが、以下の症状に注意が必要です。
また、スキルス胃がんの初期症状は、他の病気でも起こりうるため、自己判断で対処せず、医療機関を受診することが重要です。

胃の不快感

初期のスキルス胃がんでは、胃の不快感や違和感を感じることがあります。これは、がんが胃の壁を硬くし、胃の動きを悪くするためと考えられます。

食欲不振

スキルス胃がんが進行すると、食欲不振が起こることがあります。これは、がんが胃の機能を低下させ、消化吸収を妨げるためと考えられます。

体重減少

食欲不振や消化吸収の悪化に伴い、体重減少が起こることがあります。特に、短期間で急激に体重が減少する場合は注意が必要です。

スキルス胃がんの主な原因

スキルス胃がんの明確な原因は解明されていませんが、以下の要因が関与している可能性が考えられています。

ピロリ菌感染

ピロリ菌は、胃の粘膜に炎症を引き起こし、胃がんのリスクを高めることが知られています。スキルス胃がんの発症にも、ピロリ菌感染が関与している可能性があります。

食生活

塩分や脂肪分の多い食事などは、胃がんのリスクを高める要因として知られています。スキルス胃がんの発症にも、これらの生活習慣が影響している可能性があります。

喫煙、飲酒

喫煙や過度な飲酒などは、胃がんのリスクを高める要因となります。スキルス胃がんの発症にも、これらの生活習慣が影響している可能性があります。

遺伝的要因

スキルス胃がんを含む胃がんの一部には、遺伝的要因が関与している可能性も指摘されています。家族に胃がんになった人がいる場合は、定期的な検査を受けることが推奨されます。
スキルス胃がんの原因を特定するためには、消化器内科を受診し、詳細な検査を受ける必要があります。ピロリ菌の除菌治療や、バランスの取れた食事、禁煙、節酒などの生活習慣の改善が、スキルス胃がんのリスクを低減する可能性があります。

スキルス胃がんの検査法

スキルス胃がんの検査は、以下の方法で行われます。

内視鏡検査

内視鏡検査は、胃の内部を観察し、がんの有無や大きさ、深さなどを確認する検査です。スキルス胃がんは、胃の壁が硬くなり、粘膜の変化が分かりにくい場合があるため、詳細な観察が必要です。入院は必要なく、外来で検査が可能です。鎮静を使って寝ている間に検査を行うことのできる医療機関もありますので、各医療機関にお問い合わせください。

生検

内視鏡検査で見つかった病変の一部を採取し、顕微鏡で細胞を調べる検査です。スキルス胃がんの診断を確定するためには、生検が不可欠です。

画像検査

CT検査やMRI検査、PET検査などの画像検査は、がんの広がりやリンパ節転移、遠隔転移の有無などを確認するために用いられます。ステージの決定や手術の可否、術式を決めるために必要な検査です。放射線科の外来で撮影が可能です。

「スキルス胃がんと背中の痛み」についてよくある質問

ここまでスキルス胃がんと背中の痛みの関係性などを紹介しました。ここでは「スキルス胃がんと背中の痛み」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

スキルス胃がんの好発年齢について教えてください。

齋藤 雄佑 医師

スキルス胃がんは、他のタイプの胃がんと比較して、比較的若い年齢層にも発症する傾向があります。一般的には、40代から60代に多く見られますが、20代や30代での発症も報告されています。

編集部まとめ背中の鈍い痛みを感じたら、消化器内科へ

スキルス胃がんは、早期発見が難しいがんです。しかし、早期に発見し治療を開始することで、生存率を向上させることができます。背中の痛みや胃の不快感、食欲不振、体重減少などの症状に気づいたら、早めに医療機関を受診しましょう。
特に、ピロリ菌感染者や、スキルス胃がんの家族歴がある人は、定期的な検査を受けることが重要です。早期発見・早期治療のためにも、気になる症状があれば、ためらわずに医師に相談しましょう。

「スキルス胃がん」と関連する病気

「スキルス胃がん」と関連する病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器科の病気

ピロリ菌感染

萎縮性胃炎

慢性胃

胃潰瘍十二指腸潰瘍

消化管出血

逆流性食道炎

血液科の病気

貧血

スキルス胃がんは、他の臓器への転移を起こしやすいため、様々な病気を併発する可能性があります。定期的な健康診断や人間ドックを受診し、早期発見に努めましょう。

「スキルス胃がん」と関連する症状

「スキルス胃がん」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

肩が痛い胸焼け吐き気

食欲不振

腹部膨満感

体重減少

めまい、ふらつき

これらの症状は、スキルス胃がん以外にも様々な原因で起こり得ます。自己判断せず、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けましょう。

参考文献

胃がん(がん情報サービス)