2024年7月に発行された、「渋沢栄一」がデザインされた新1万円札。ご祝儀に使うのはマナー違反だという声もあるようですが、実際のところどうなのでしょうか。「All About」冠婚葬祭ガイドの中山みゆきが回答します。

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7月から発行された新1万円札。結婚式のご祝儀に使うとマナー違反という説があるようですが、本当なのでしょうか。

「All About」冠婚葬祭ガイドの中山みゆきが回答します。

(今回の質問)
ご祝儀のお札に「渋沢栄一」の新1万円札を使うとマナー違反だと聞きました。本当でしょうか?

(回答)
マナー違反にはなりません。「渋沢栄一」の女性関係に問題があるため、というこのうわさがウソかホントか分かりませんが、その理由だけで「渋沢栄一」の新1万円札が使えないのはナンセンスです! 結婚式などのご祝儀には新札や新券、ピン札を使うのがマナーです。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

【図解】絶対やめて……ご祝儀でやってはいけない渡し方

不確かな謎のルールに惑わされる必要はありません

2024年7月3日、20年ぶりに新紙幣が発行された直後から、ネットやテレビ番組ではこの話題が飛び交いましたね。「渋沢栄一」は女性関係が派手でだらしないイメージがあり不貞を連想させるので、ご祝儀に使用するのが縁起が悪い? 失礼に当たる? ということだそう。ですが、こんな不確かな謎のルールに惑わされないで、ぜひ「渋沢栄一」の新1万円札で2人の新しい門出をお祝いしてあげてください。

LINEでできる式場探しを運営するトキハナによる、20〜40代がこの問題をどう思っているのかリサーチした結果があります。実際にこの調査でも、約70%の人が「渋沢栄一」の新1万円札を使うことをマナー違反だと感じていないと分かりました。価値観が多様化していく昨今、ご祝儀マナーもいろいろと新たな正解を求められるのは大変なことですね。

ピン札ではマナー違反なの?

結婚式のご祝儀に新札を使うのがマナーだということは、広く世に認知されています。新郎新婦のこれからの新しい人生に、新しいお札を贈ることでお祝いの気持ちを伝えることができる、新札を用意するほど式を楽しみにしていると相手に伝えることができるのがよいですよね。

ちなみに、よく使われるピン札と新札は同じものではありません。ピン札は使用されていますが、折り目やシワがなくきれいなお札です。新札は発行されてまだ一度も使われていないものです。結婚式などのご祝儀には新札が望ましいのですが、見た目は変わりません。どちらを使ってもマナー違反にはなりません。

この記事の筆者:中山 みゆき
All About がオープンした当初から3年半、前ガイドの夫と共に冠婚葬祭についての情報発信に積極的に関わる。現在は、その知識を生かして冠婚葬祭関連のアドバイス活動を重ね、「思いやり」の心を大切にした情報を発信し続けています。
(文:中山 みゆき)