アメリカの半導体大手・NVIDIAが、総合コンサルティング会社のアクセンチュアと提携して新しい事業グループである「NVIDIA Business Group」を設立し、生成AI技術に習熟した専門家3000人を配置すると発表しました。

Accenture and NVIDIA Lead Enterprises into Era of AI

https://newsroom.accenture.com/news/2024/accenture-and-nvidia-lead-enterprises-into-era-of-ai

Nvidia (NVDA) Partners With Accenture to Boost Corporate AI Adoption - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-10-02/nvidia-partners-with-accenture-to-boost-corporate-ai-adoption

Accenture To Train 30,000 Staff On Nvidia AI Tech In Blockbuster Deal

https://www.crn.com/news/ai/2024/accenture-to-train-30-000-staff-on-nvidia-ai-tech-in-blockbuster-deal

NVIDIAとアクセンチュアは2024年10月2日に、企業におけるAI技術の導入拡大に向けて提携し、クライアントが生成AIを活用するのを支援するNVIDIA Business Groupを発足させて、専門的なトレーニングを受けた3000人のエキスパートによるサポート体制を構築すると発表しました。

アクセンチュアの会長兼CEOであるジュリー・スウィート氏は「当社はNVIDIAとの提携によりさらなる新境地を開拓し、お客様が生成AIをイノベーションの起爆剤として活用する最前線に立てるよう支援します」と話しました。



アクセンチュアは、人間が直接プロンプトを入力したり、事業を手動で自動化したりする代わりに、AIが自律的にワークフローの判断や決定、実行を行う「エージェントAIシステム」に力を入れており、NVIDIAのAIスタックを活用して企業のエージェントAIシステム採用を加速させたい考えとのこと。

一方のNVIDIAは、AI向けハードウェア市場で大きな優位性を築いていますが、主な顧客はMicrosoftやAmazon、Googleなど大規模なデータセンターを所有している一握りの大企業に限られています。

そのため、投資家やアナリストからは、NVIDIAがインフラに費やしている巨額の投資額に見合うだけのリターンが得られていないと危惧する声が上がっているとのこと。



by Laineema

こうした懸念に対応し、幅広い顧客を獲得して裾野を広げることで、NVIDIAのAI技術や製品をさらに価値あるものにすることが今回の提携の狙いであると、金融メディアのBloombergは指摘しました。

NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、今回の提携を取り上げたCNBCのインタビュー番組で、「NVIDIAはアクセンチュアを、当社の技術と顧客を結びつけてくれる企業だと考えています」と述べました。フアンCEOによると、アクセンチュアのスウィート氏が今回の提携について発案したのは2024年半ばだったとのことです。

フアンCEOはまた、NVIDIAの次世代AIチップ「Blackwell」にも言及し、「Blackwellの需要は常軌を逸しています。誰もが最高のものを欲しがり、一番になりたがっています」と話しました。



Blackwellは、エネルギー消費を従来の25分の1に抑えつつ数兆パラメータの大規模言語モデル(LLM)によるリアルタイム生成AIを実行可能とされていますが、設計上の欠陥によりBlackwellアーキテクチャを搭載したGPUの製造が遅れるとの情報が出ています。

フアンCEOによると、Blackwellチップは製造プロセスがフル稼働中で、計画通りに完成しつつあるとのことです。