児童手当は合計で、第1子が「245万円」、第3子は「680万円」受け取れるように!? でも第3子に思わぬ“落とし穴”も? 児童手当拡充の注意点について解説

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2024年10月から児童手当が拡充されます。3人以上の子どもを持つ家庭において、3歳以降から給付される児童手当が2倍に増えます。「うちは3人子どもがいるから総額〇円ももらえる!」と希望を抱く人も多いのではないでしょうか。 しかし、新制度には注意すべき点もあります。本記事では、児童手当の拡充内容とその注意点について解説します。

これまでの児童手当制度

児童手当制度は、次世代を担う子どもたちの健やかな成長を支援するために設けられた制度です。
2024年9月時点で児童手当の対象となるのは、中学校修了(15歳に到達した最初の年度末)までの子どもです。支給額は子どもの年齢や人数によって異なり、子ども1人あたりの支給額は次のとおりです。

●3歳未満:一律1万5000円
●3歳以上小学校修了まで:1万円(第3子以降は1万5000円)
●中学生:一律1万円

4月生まれの場合、児童手当の総支給額は第1子で209万円、第3子で268万5000円になる計算です。
 

2024年10月から児童手当が拡充される

この児童手当制度が、2024年10月から拡充されます。拡充されるのは主に次の4点です。

●所得制限の撤廃:所得にかかわらず、対象家庭に児童手当が支給
●支給期間の延長:高校生年代(18歳到達の最初の年度末)まで延長
●第3子以降の支給額の増額:第3子以降の支給額が3万円に増額
●支払月の増加:支払い回数が年3回から6回(偶数月)に増加

これらの変更により、児童手当の恩恵を多く受けられる家庭が増えます。
また受給できる期間が3年延長されたため、4月生まれの場合、子ども1人あたり総額245万円もらえます。第3子以降であれば、単純計算で681万円もらえる計算になります。
 

第3子以降の支給額には思わぬ落とし穴が?

「3人目はずっと月3万円もらえるなら安心」と考える人も多いかもしれません。しかし、ずっと「第3子以降」とみなされるわけではない点に注意しましょう。
子どもが3人以上いる場合でも、3人目以降が必ずしも児童手当の支給対象児童の「第3子以降」としてカウントされるわけではありません。第1子は22歳になった年度末を過ぎると対象から外れ、第3子が第2子に繰り上がるため児童手当が月3万円から3歳以上は1万円に減額されます。
このように、第3子だからといって、必ずしも高校を卒業するまで月3万円の児童手当を受給できるとは限りません。兄弟姉妹の年齢が離れている場合、「思っていたよりももらえなかった」という事態になりかねないため注意しましょう。
とはいえこの子どものカウント方法も、従来は「18歳になった年度末」までで数えていました。カウント対象の年齢が4年延びたので、以前よりも優遇されているのです。
 

自分のケースに合わせて試算しよう!

児童手当の拡充は子育て世帯の家計にとって大きな助けになりますが、家庭の状況に合わせてしっかり試算することが大切です。特に、子どもの年齢差によっては、3人目であっても「第3子」としてカウントされない場合もあります。
「これくらいもらえそうだから大丈夫」と油断せず、児童手当の支給額を正確に試算し、計画的な家計管理に役立てましょう。
 

出典

こども家庭庁 児童手当制度のご案内
こども家庭庁 もっと子育て応援! 児童手当
こども家庭庁 「第3子以降」のカウント方法について
執筆者:山田麻耶
FP2級