ついに配信開始したWindows 11 バージョン24H2でCopilot+ PC向けに生成AIベースの塗りつぶし機能が「ペイント」に追加
Microsoftが、Windows 11の機能更新プログラムである「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」を、Windows Insider Programに加入していない一般ユーザー向けに段階的な公開を開始したと発表しました。このWindows 11 バージョン24H2には、「ペイント」アプリに生成AIベースの塗りつぶし機能が搭載されるなどといったCopilot+ PC専用機能が盛り込まれています。
https://support.microsoft.com/en-us/windows/inside-this-update-93c5c27c-f96e-43c2-a08e-5812d92f220d
https://www.engadget.com/computing/microsoft-delivers-new-copilot-ai-pc-features-with-windows-11s-2024-update-140048807.html
Copilot+ PCは、Microsoftが定義するAI実行に適したPCのこと。「Microsoft認定のSoC搭載&40TOPS以上のNPU搭載」「16GB以上のDDR5メモリ」「256GB以上のSSD」という要件を満たし、画像生成AIや大規模言語モデルなど、AI処理をローカルで実行できる性能を持ちます。
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また、MicrosoftはこのCopilot+ PC向けの機能をWindows 11に実装する予定であることを明らかにしており、そのうちの1つとしてPC上で見たものや行ったことをすべて記録して検索できるようになる「Recall」機能を発表しています。
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そして、今回配信されたWindows 11 24H2ではCopilot+ PC向けの機能として、「ペイント」に生成AIを用いた塗りつぶし機能が搭載されるとのこと。これは画像生成AI機能であるCocreatorを利用しており、サイズ調整可能なブラシを使用して画像の特定部分を選択すると、その部分を塗りつぶして削除したり新しく被写体を追加したりすることができます。
生成AIを用いた塗りつぶし機能はAdobeのPhotoshopなどにすでに搭載されている機能で、どういうものかは以下の記事を読むとよくわかります。ただし、AdobeのPhotoshopは有料ですが、Microsoftのペイントは無料です。
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また、「フォト」アプリで写真を最大8倍の解像度にアップスケールすることができるようになるとのこと。Microsoftによれば、「数秒以内に最大4K解像度に拡大できる」ほど高速に機能するそうです。
さらに、Windowsボタンを押したまま対象をクリックするだけで、写真アプリでオブジェクトを削除したり、長い記事を要約したりするなど、画面に表示されているものすべてに対してCopilotが支援してくれるという「Click to Do」機能がCopilot+ PC向けに用意されています。この機能はSnipping ToolやPrint Screenでも使用可能とのこと。
加えて、検索機能も強化されており、検索用の演算子を使わずに自然な言語でファイルを検索できるようになるとのこと。セキュリティ研究者から懸念の声が続出してデフォルトの無効化が発表されたRecall機能については、宣言通りにデフォルトで無効になりオプトイン形式での実装となりました。また、Recall機能の使用にはWindows Hello生体認証が必要となり、スクリーンショットを含むデータベースは暗号化されます。
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Copilot+ PC専用機能以外では、Wi-Fi 7への対応やBluetooth LE オーディオの対応などがWindows 11 2H24で実装されます。Windows 11 バージョン2H24は2024年10月2日から段階的に展開されますが、一部の機能はまずWindows Insider Program加入者に優先的に配信され、11月から一部のデバイスと市場に段階的に展開されます。Microsoftは、今後数カ月でさらなる機能を追加する予定だと述べています。