iPhone 16から搭載された「カメラコントロール」は画面を触れずにカメラの設定を調整できる新機能、ただし慣れには時間がかかりそう
iPhone 16の中身はiPhone 15と比べて進化していることがベンチマークの結果からわかりました。そして、サイズこそiPhone 15とほとんど変化はありませんが、iPhone 16は空間ビデオを撮影できるようにカメラが縦2列になり、さらに「カメラコントロール」という新しいボタンが追加されました。このカメラコントロールは果たしてどんなボタンなのかを使って確かめてみました。
https://support.apple.com/ja-jp/guide/iphone/iph0c397b154/ios
iPhone 16の見た目やサイズについては、以下の記事でiPhone 15やPixel 9と比較しながらチェックしています。
「iPhone 16」速攻フォトレビュー、iPhone 15やPixel 9と比べてサイズや重量はどう違うのか? - GIGAZINE
また、ベンチマーク結果については以下の記事にまとめ済み。
Apple Intelligenceに対応するiPhone 16のA18チップは前世代からどれだけ進化しているのか?ベンチマークを比較してみた - GIGAZINE
カメラコントロールはiPhoneの下辺から約43mmほどにあり、長さは約17mm、幅は約3mmです。サイドボタンが側面から0.5mmほど飛び出しているのに対して、カメラコントロールは側面とほぼ面一になるようになっています。また、サイドボタンが通常の物理ボタンになっているのに対して、カメラコントロールは感圧・タッチセンサーが内蔵されているのが特徴。
iPhoneのロック画面には2つのコントロールを設定することができ、デフォルトで右下に「カメラ」アプリへのアクセスが配置されています。Apple純正の「カメラ」アプリを起動する場合、ロックを解除してホーム画面にある「カメラ」アプリをタップして起動するほか、ロック画面から「カメラ」のアイコンをタップすれば、さっと「カメラ」アプリを起動することができます。
そして、iPhone 16シリーズからは、ロック画面でカメラコントロールをクリックすることで「カメラ」アプリを起動できるようになりました。カメラコントロールはぐっと押し込むと、物理ボタンを押した時のような振動が得られます。
そして、カメラコントロールに添えている指先に軽く力を込める感じで2回押すと、そのカメラモードで使用可能な設定が表示されたオーバーレイが開きます。例えば、通常の「写真」だと露出・被写体深度・ズーム・カメラ・スタイル・トーンを選ぶことができます。
カメラアプリ起動時にカメラコントロールをさっと指でなぞると、各項目の設定を調整できます。例えばズームだとこんな感じ。
以下のムービーはiPhone 16で撮影したもの。ムービー中にズームイン・ズームアウトの操作を行っていますが、これはカメラコントロールをなぞって操作しています。これまでズームはピンチイン・ピンチアウトで操作していたので、「片手で本体を支え、もう片方の手で撮影中の画面を操作する」必要がありました。しかし、カメラコントロールであれば、指先で操作するだけで簡単にズームの調整ができます。
カメラコントロールを使いながらiPhone 16で撮影した4K・60fpsムービー - YouTube
「スタイル」と「トーン」は、カメラコントロールの実装に合わせて「カメラ」に実装された設定項目。「トーン」ではトーンとカラーをそれぞれ-100〜100の200段階で、画面右側にあるタッチパネル型のUIで調整できます。
「スタイル」はあらかじめ設定されたトーンとカラーの設定を呼び出して適用できるフィルター。これまでiOS純正の「カメラ」アプリで色調やコントラストを自由に調整して撮影することはできなかったのですが、「スタイル」「トーン」が実装されたことでより表現が広がります。
カメラコントロールの操作について、右手で縦持ちであればちょうど親指で操作することが可能です。ただし、iPhone 16本体を支える親指でカメラコントロールを押したりスワイプしたりするので、操作感はあまりいいとはいえませんでした。
横持ちの場合は、iPhoneの角に第2関節をあてがうように持つと、右手の人さし指はカメラコントロールに微妙に届きづらく感じました。もちろん、もっと深めに握り込めば人さし指も届くのですが、そうすると手が画面を覆ってしまい、UIが見づらくなるというのが難点。慣れてくると「こんな感じで持てばいいのかな」という感覚がつかめてくるのですが、そうなるまでには時間がかかりそう。
実際にカメラコントロールを使ってみて、カメラのズームや露出など、さまざまな設定をカメラコントロールに集約して直感的に調整できるのはうれしいポイントだと感じました。また、これまで調整できなかった被写界深度や色調なども調整できるようになり、撮影できる写真やムービーの表現の幅がぐっと広がります。
ただし、iPhone 16本体を手で持って固定する必要がある以上、指先で操作するにしても操作感はそこまでよくないというのが正直なところ。そのため、カメラコントロールによってiPhoneのカメラとしての使いやすさがはるかに向上しているとは言い難いというのが正直な感想です。