ガーディアンズのジョシュ・ネイラー(C)Getty Images

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シーズンも終盤を迎え、続々と今季の地区優勝チームが決定しているMLB。優勝を早々に決めたチーム名を並べてみると、やはり度々メディアを賑わせていたスター選手が所属する球団が多い。しかし、2年ぶりにア・リーグ中地区を制したガーディアンズについては、同地区で7ゲーム以上の差をつけての優勝であるにもかかわらず、意外にも注目度が低い。
この記事では、優勝の原動力となった攻撃陣の主軸選手たちの活躍を中心にガーディアンズの戦力を紐解いていく。

■チーム打撃成績は低調も優秀な役者揃い

チームの攻撃成績は、打率.238で全体20位、本塁打184本の12位、盗塁147で5位、OPS.704で17位。盗塁数はトップ5と優れた機動力をみせているものの、その他の打撃成績は飛び抜けてはいない。特に打率に関してはワースト10と、優勝チームとは思えない成績にみえる。しかし、個人成績をみると意外にも優秀な“役者”が揃っているのだ。
打線の中心となっているのは、ホセ・ラミレス内野手だろう。今シーズンは156試合に出場し、打率.279、本塁打38本、打点115、OPS.867という成績でチームを牽引している。また、盗塁も40とスピードも兼ね備えているのが特徴。大谷翔平投手(ドジャース)が達成した「50-50」のインパクトが強すぎるため話題に上がらなくなっているが、あと2本塁打で史上7人目となる「40-40」達成という歴史的な活躍ともいえるシーズンを送っているのだ。

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ア・リーグの打撃ランキング内でも本塁打が4位、盗塁が2位となっており本塁打はアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)が圧倒的な1位であるため難しいが、盗塁王のタイトル獲得の目もまだ残されている状態だ。
ラミレスと共にクリーンナップを形成しチームの貴重なポイントゲッターとしての活躍をみせているのがジョシュ・ネイラー内野手だ。同じくガーディアンズに所属するボー・ネイラー捕手との“兄弟共闘”が話題にあがることもある彼は、今シーズン150試合に出場し打率.243、本塁打31、打点107、OPS.778。打率こそ2割前半だが、本塁打はリーグ9位タイ、打点は5位タイとランキング上位に顔を出している。

【動画】逆方向へ文句なしの広角打法、ネイラーが放った確信弾シーン

そして、リードオフマンとしてチームを牽引したのが、WBC開催時に侍ジャパンへの招集も検討されたというスティーブン・クワン外野手。日系3世のメジャーリーガーとして注目されたクワンは今シーズン、一時打率でランキングトップの座についていたアベレージヒッター。規定打席未到達ながら、6月には打率.398と“夢の4割”にまで近づく活躍ぶりをみせたのだ。
現在の成績は121試合の出場、打率.292、本塁打14、打点44、OPS.791。オールスターブレイクまでは打率3割後半であったが、後半戦は.207と絶不調。17日(同18日)には背中の痛みにより負傷者リスト(IL)入りしたが、後半戦の不振はこの怪我が原因だった可能性も考えられる。しかしながら、現在打率ランキング8位につけていることを考えると、前半戦の活躍がどれほどまでに凄まじかったかがうかがえる。そんなクワンは25日(同26日)にILから復帰。いきなり14号先頭打者本塁打を放つなど、万全の状態でチームに戻ってきている。

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クワンが出塁し、ラミレスとネイラーのクリーンナップがランナーを返すという攻撃スタイルが噛み合えば、激戦が予想されるア・リーグのポストシーズンでの勝利も見えてくるであろうガーディアンズ。ヤンキースやオリオールズが大きく取りあげられることの多いア・リーグだが、いぶし銀の役者が揃うガーディアンズの戦いぶりにも注目してみてほしい。
※成績は9月25日(日本時間9月26日)試合終了時点