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DC映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』の後日譚スピンオフドラマ「THE PENGUIN -ザ・ペンギン-」第1話で、主人公オズワルド・“オズ”・コブルポットは彼のニックネームである“ペンギン”とは一度も呼ばれない。番組でショーランナーを務めるローレン・ルフランが、その奥の深い理由をいくつか明かしている。

足に障がいを持つオズは身体を左右に揺らしながら歩き、その歩き方や容姿から“ペンギン”とニックネームを付けられ、これまでに実写やアニメシリーズでもそう呼ばれてきた。しかし、「ザ・ペンギン」第1話では「オズ」や「オズワルド」のほか、「little bitch(クソ野郎)」などの蔑称でこそ呼ばれたが、「ペンギン」との呼び名は登場しない。

米の取材でルフランは、その理由の一つ目として、「その呼び方をオズが嫌っていることを知っていたし、それは彼に対する侮辱だと思ったから」だと答えている。ギャングが他のメンバーに侮辱的なニックネームをつけることは珍しくないため、オズが“ペンギン”と呼ばれることに不思議はないが、その呼称をオズが嫌っているため、あえて使わなかったと説明した。

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ルフランは番組で、これまでにオズを際立たせてきた特徴を完全に避けようと務めたとのこと。その代わりに第1話の早い段階で、ペンギンのトレードマークとなっている傘を使わせることで、彼の神話にオマージュを捧げたそうだ。本シリーズをコミックの番組ではなく、キャラクター主導の犯罪ドラマとして捉えているというルフランは、DC作品やコミックのドラマ版に興味がない人にもアピールできればと語っている。

またルフランはオズの障がいにも配慮し、作品に共感を持って取り組む一方で、キャラクターの障がいを「言い訳」にしないよう心がけたとのこと。「撮影時に音楽を選ぶ際、感傷的な音楽を使わないことが重要でした。“オズを見てよ、可哀そうに”と言わせるためのものではありません。彼は障害をそのようには見ていないし、障害が彼を彼たらしめているのでもありません」と述べ、こう続けている。

「障がいやヴィランを定義づける上で、コミックには酷い描写があることも自覚しています。その多くは顔の傷跡や、彼らを異質に感じさせる何かです。私は彼を心理的に理解したかったし、彼の非道さを身体的な疾患や障害のせいではなく、彼の根本的な感情に起因させたかったのです」。

ルフランの発言から察するところ、残りの7話でもオズは「ペンギン」とは呼ばれない可能性が高そうだ。オズはゴッサムの裏社会で地位を確立するために狡猾に策略を企てるが、ひょんなことで知り合った少年ヴィクターと奇妙な絆を結び、これまでとは違った側面も見せている。「ペンギン」のニックネームに縛られないオズが、どのように描かれるのか残りのエピソードの配信を楽しみに待ちたい。

「THE PENGUIN ─ザ・ペンギン─」はU-NEXTにて独占配信中。

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