日本サッカー協会(JFA)は19日、ジュビロ磐田でプレーした元イタリア代表FWサルヴァトーレ・スキラッチ氏の訃報を受け、川淵三郎相談役(Jリーグ初代チェアマン)のコメントを発表した。

 スキラッチ氏は現役時代にセリエA強豪のユベントス、インテルなどでプレーし、Jリーグ開幕翌年の1994年に来日。ジュビロ磐田へ加入し、4シーズンに渡って活躍した。90年にデビューしたイタリア代表では、国際Aマッチ通算16試合に出場し、7ゴールを記録。自国開催のワールドカップ(1990年)でイタリアを3位に導き、自身は得点王とMVPを獲得した。

 以下、川淵三郎相談役のお悔やみの言葉

「彼のプレーを初めて生で見たのは1990年のイタリアワールドカップで、私はNHKの解説で現地に行っていた。Jリーグ創設に奔走していたときで、現地で、Jリーグへの参加を希望する団体が20もあったという報せを聞いて喜んでいた。そんな時に彼のプレーを見て、こんなすごい選手がJリーグでプレーしてくれることなんて夢のまた夢だと思った記憶がある。

 ところがJリーグ開幕翌年にジュビロ磐田に移籍すると聞いてびっくり。ワールドカップで得点王に輝いた選手が日本の地方都市でプレーすることに満足してくれるのかという一抹の不安もあったが、あに図らんや彼は4シーズンにわたって素晴らしいプレーを見せてくれた。Jリーグに大きな刺激を与え、その存在を世界に知らしめてくれた。

 病気だったと聞くが、まだ若かっただけに残念でならない。Jリーグの発展に大きく貢献してくれたことに心から感謝の意を表したい。

 スキラッチさん、安らかにお眠りください」