【ローズS/追い切り診断】“3歳牝馬らしからぬ”貫禄に高評価「A」 抜群の折り合いで申し分ない状態

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第42回ローズS(15日/GII、中京芝2000m)にはダービー5着のレガレイラ、オークス4着のクイーンズウォーク、フローラS3着の実績があるカニキュルなどが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「レガレイラ」を取り上げる。

■レガレイラ

【中間調整】曾祖母にウインドインハーヘアを持つ良血馬だ。牝馬ながらに挑戦した2歳GI・ホープフルSでは出遅れる不利がありながら圧巻の末脚で差し切って勝利を収め、その能力は間違いなく世代トップクラスと言っていい。今春は果敢に牡馬クラシック路線を歩み1番人気の皐月賞6着、2番人気の日本ダービーは5着と結果を残せなかったが、いずれも前が止まらない展開のなか苦しい位置取りから押し上げたもの。皐月賞、ダービーともにメンバー最速の末脚を繰り出せており、なんら恥じる必要のない戦いぶりだったと言える。
秋の大レースへ弾みをつけるべく、夏休み明けは引き続きC.ルメール騎手とのコンビでローズSから復帰することに。8月15日に帰厩し、じっくりとケアの期間を取って22日から時計を出し始めている。9月4日の1週前追いはウッドで併せ馬。稽古駆けするオープン馬ヒップホップソウルを長めから追いかけるハードな内容でラストに若干だけズブさを見せたものの、ジワッと取り付き余力を残して併入とした。5F64秒4(強め)は自己ベスト更新の数字。
【最終追い切り】レース当週はウッドで“木村厩舎流”の3頭併せ。抜群の折り合いで進んで行き、直線ではヒップホップソウルらオープン馬2頭の間に陣取る。3歳牝馬というのをまったく感じさせない貫禄たっぷりの走りを披露。最後は自然と切れで優り、2頭それぞれにクビほどの先着とした。
【見解】鋭さという点ではまだ良くなる余地こそ感じさせるが、1週前の猛時計、最終追いで見せた貫禄と秋初戦のGIIを走るにあたっては申し分のない状態まで仕上がっている印象。気負いがなく、成長した体を持て余すような面がないのがいい。メンバー内で唯一のGI馬として、きっちりその能力を発揮できそうな態勢は整っている。
総合評価「A」

著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。