柏対川崎の決勝点場面にJFA言及【写真:徳原隆元】

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柏×川崎戦、MF脇坂泰斗の決勝ゴールでオフサイド疑惑も

 日本サッカー協会(JFA)は9月11日に審判委員会によるメディアブリーフィングを実施。

 柏レイソルと川崎フロンターレの対戦で川崎のMF脇坂泰斗のゴールを認めた場面でビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)も含めた審判団にオフサイドの見逃しがあったとして、JFA審判マネジャーの佐藤隆治氏は「VARもAVARも、ここは落としてはいけないと伝えた」と話した。

 7月20日に行われたJ1第24節の同カードで後半39分、2-2の同点の場面で川崎はFWマルシーニョがシュートを放つと柏GK松本健太がファンブル。ここにMF瀬川祐輔が詰め、さらにこぼれたところを脇坂が押し込んだ。瀬川が詰めてシュートを放った際にボールを確保しようとした松本との接触があり、さらにシュートのために振った足が着地の時に松本の手にも当たった。それだけに、瞬間的にはここの接触の反則が疑われる場面だった。

 そのため、ピッチ上で中村太レフェリーがゴールを認めた後も大坪博和VARと松本大AVARもチェックを行ったが、最終的に判定を支持してゴールを認めた。しかし、瀬川がこぼれ球に詰めてシュートを放った瞬間に脇坂はボールよりも柏ゴール側にいて、松本がボールに触ったのも意図的なプレーではなくディフレクションであることが明らかな場面であるため、オフサイドの反則としてゴールが取り消されるべき場面だった。

 佐藤マネジャーは「(瀬川と松本の)蹴った瞬間とその後のプレーはノーファウルと判断するが、オフサイド」とコメント。「ファウルを疑ったかもしれない。VARもそうで、色々な角度からスロー再生をしてボールに触れているか、チャレンジがどうだったかとして、現場が得点を認めたものをVARもチェック・コンプリートした」と、オフサイドの可能性が抜け落ちていたと、当時の状況を話した。

 そのうえで「これをVARも16メートルカメラやゴールラインカメラ、場合によっては3Dラインを引いてチェックすべき。レフェリーもVARも接触にフォーカスしてしまったが、フラットに見ればチェックをすべき。VARもAVARもここは落としてはいけないと伝えた」と、改善点を指導したことを明かした。

 また、「副審から見えていたのではないか」という質問に対しては、「副審に確信がなくとも疑いの気持ちがあればVARにチェックのリクエストをするかもしれないが、そうでなければ難しいのでVARやAVARも確認しないといけない」として、動きの中で複数の事象にフォーカスを当てる難しさがある中で、映像を確認するサイドが冷静に広い視点で見る必要性を話していた。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)