フルゲームの激闘を制して全日本総合の出場権を手に入れた須藤海妃(左)、遠藤美羽組【写真:編集部】

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全日本社会人バドミントン選手権

 バドミントンの全日本社会人選手権は9日、鳥取県民体育館で3日目が行われた。女子ダブルスでは須藤海妃、遠藤美羽組(ヨネックス)が4回戦で飯島真恵七、田中果帆組に2-1(21-18、19-21、21-14)で勝利した。高卒ルーキー同士のペア。高校時代は何度もネットを挟んで対戦した2人が組み、目標としていた全日本総合の出場権を手に入れた。

 粘り強いプレーでフルゲームの激闘を制した。須藤と遠藤は第1ゲーム(G)を先取。しかし、第2Gはリードを許し、終盤に追い上げるも奪われた。勝負の第3G。ラリーを制して1点目をもぎ取り、2人そろって力強い拳を握る。勢いに乗ると、6連続得点などで突き放した。須藤は「2人で『これでもか』というくらい練習してきたので不安はなかった」と話し、遠藤も「ダブルスを始めてからできるようになったことを発揮できた」と喜んだ。

 昨年の全国高校総体で、福島・ふたば未来学園高の須藤は女子ダブルスで優勝し、栃木・作新学院高の遠藤は同5位になるなどともに全国で活躍してきた。「対戦回数は5回くらい」と、昨年まではネット越しに火花を散らした2人でもある。

 ライバルでもあったが、ジュニアの日本代表で「ずっと一緒にいた」というほどの仲良しでもある。ともに高卒でヨネックスに入社し、現在は社宅で隣の部屋で暮らしている。ペアを結成して約4か月。互いの印象について、須藤は「普段はほのぼのしているけど、試合になると熱意バーンって感じ。ギャップです」と笑い、遠藤は「いつもは抜けているけど、試合になるとキリっと変わるので自分を冷静にさせてくれる」と信頼を寄せた。

 大きな可能性を秘める10代の2人。どこまでペアを組み続けるかは未定だが、今季は2人で戦っていく予定。最終目標は日本代表で、「まずは個人のレベルアップに努めて、全日本総合で結果を出したい」と須藤。若さ溢れるプレーで強敵に挑む。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)