牛タンに含まれる栄養素は?

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 9月10日は「牛タンの日」です。記念日の認定・登録などを手掛ける、一般社団法人日本記念日協会によると、仙台市を中心とした牛たん専門店が加盟する「仙台牛たん振興会」が、「ぎゅう(9)」と「たん=テン(10)」の語呂合わせから、9月10日を牛タンの日に制定したということです。仙台の食文化であり、名物として名高い牛タン焼きをより多くの人においしく、楽しく、安全に食べてもらうのが制定の目的だといいます。

 ところで、焼き肉やシチューなどによく使われる牛タンですが、どのような栄養素が含まれているのでしょうか。ネット上では、「牛タンはヘルシーでダイエットに向く食材」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。管理栄養士の桜井このさんに聞きました。

ヒレ肉の方が脂質が少ない

Q.牛タンに含まれる栄養素について、教えてください。他の肉の部位との違いはありますか。

桜井さん「主な栄養素はタンパク質や脂質、ビタミンB群、カルニチンなどが挙げられますね。ビタミンB群に含まれるナイアシンは、脂質を分解し、代謝を早める効果があります。

他の肉の部位との違いでいうと、タンの方がビタミンB2やナイアシンが多く含まれています。ただ、タンパク質の含有量は少なめですね」

Q.ネット上では、「牛タンはヘルシーでダイエットに向く食材」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。

桜井さん「調理法によると思います。『おなかの方の肉の部位ではないのでヘルシー』と思っている人が多いのかもしれませんが、実は脂質が少ないというわけではありません。タンよりも、ヒレ肉の方が脂質やカロリーが少ないため、ダイエット向きといえると思います。

牛タンは焼き肉などの調理方法が一般的ですが、焼いている最中に脂が落ちるため、もともと含まれている脂質がそのまま摂取されるわけではありません。

ただし、ヘルシーとかダイエット向きかといわれると、そうではないというのが正直な意見です」

Q.牛タンの栄養素を効率よく摂取するためには、どのような調理方法がお勧めなのでしょうか。

桜井さん「タンをはじめ、肉類は加熱し過ぎると、タンパク質が壊れてしまいます。ただ、ダイエットという面では、ゆでることで脂質を落とせるため、『カロリーを落とすか』『栄養を取るか』のどちらを優先させるのかを決めるのが難しいですね。

効率的に栄養素を摂取するということであれば、あまり火を通し過ぎずに適温で調理するのが良いと思います。先述のように焼くと脂が落ちるため、調理時に焼くことで脂質やカロリーを落とした状態でおいしく食べることができます」

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 ヘルシーなイメージが強い牛タンですが、実は脂質が少ないわけではないのだそうです。さっぱり食べられるため、おいしいのは確かですが、ダイエットに最適な食べ物ではないため、食べる際は適量を心掛けてくださいね。