ゴールを祝わなかったライス Photo/Getty Images

写真拡大

イングランド代表はUEFAネーションズリーグ・グループBでアイルランドと対戦。2-0とイングランドが勝利した。

試合は11分にこぼれ球をライスが蹴り込んで先制すると、26分にブカヨ・サカとライスのワンツーから最後はジャック・グリーリッシュがゴール左に流し込み、追加点を挙げた。

両選手にはアイルランドのサポーターから大きなブーイングが送られていたが、これは得点を決められたからというだけではない。ライスもグリーリッシュも祖父母がアイルランド人であることから世代別代表ではアイルランド代表としてプレイしており、ライスはA代表でも親善試合に3試合出場したことがあるからだ。アイルランドサポーターにとって彼らは「裏切り者」というわけだ。

ゴール後の様子は対照的だった。ライスは得点後、両手で喜びを抑制する仕草を見せた。試合後、その理由を述べている。

「もちろん得点したときは最高の気分だったけど、祝うつもりはなかった。僕にはアイルランド人の家族がいる。祖母と祖父はもうこの世にはいない。父もここにいるし、僕が祝うのは彼らに対して失礼だ。そのあとは試合に戻って、もっとゴールを決めることに集中したかった」

反面、グリーリッシュはU-17からアイルランド代表としてプレイしてきたにも関わらず、ジャンプして腕を高く上げ、喜びを全身で表現した。それが良い、悪いという問題ではないが、歴史的にみても複雑な関係にあるイングランドとアイルランドだけに、気分を害したファンも少なからずいたようだ。