■今週の相場ポイント
 1.日経平均は4週ぶり下落、一時3万9000円回復
 2.週前半は米株休場で手掛かり難の地合いに
 3.ISM受け米景気懸念拡大、米ハイテク株に売り
 4.日本株波乱再び、円高も逆風に日経平均急落
 5.全体相場の軟調続く、引き続き円高が重荷に

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比2256円(5.8%)安の3万6391円と、4週ぶりに大幅下落した。

 今週は月曜から堅調なスタートを切ったかに思われたが、その後は軟調な地合いが継続。水曜には日経平均が前日比1600円以上下落する急落局面となった。米国景気に対する懸念が高まるなか、積極的には買いを入れづらい状況となっている。

 週明け2日(月)の東京株式市場は続伸。前週末の米国株市場が上昇した流れを引き継いだ。日経平均は取引時間中に3万9000円台を回復した。ただ、この日の米株市場が休場ということもあり、積極的に上値を追う展開とはならなかった。3日(火)は小反落。前日の米株市場が休場で手掛かり材料に欠け、方向感に乏しい地合いとなった。銀行や保険など金融株が買われた一方、値がさの半導体関連株が安く、日経平均は小幅ながらマイナス圏で着地した。4日(水)は急落。日経平均は1600円を超える下落となり、暴落相場に見舞われた8月初旬以来となる再びの波乱展開となった。前日発表された8月の米ISM製造業景況感指数が市場予想を下回り、米国景気の後退懸念が拡大。同日の米株市場はリスク回避ムードに包まれ、エヌビディア を筆頭にハイテク株が軒並み売られた。これを受け、東京市場でも半導体関連を中心に主力銘柄が幅広く売られ全体を押し下げた。為替相場がドル安・円高方向に振れたことも投資家心理を悪化させた。5日(木)も下落。前日急落の反動で買いが入り、日経平均は一時プラス圏に浮上する場面もあったが、戻り売り圧力が強かった。引き続き円高も嫌気された。6日(金)も軟調な展開となり、日経平均はこれで4日続落。朝方は高く始まったものの、すぐにマイナス圏に転落。引き続き円高が半導体関連を中心に全体相場の重荷となった。

■来週のポイント
 来週は米国の経済指標に振らされる展開が予想される。昨晩発表された米8月雇用統計の見極めに始まり、11日発表の米国8月の消費者物価指数もポイントとなるだろう。日本株市場は円高進行のなか、内需関連に優位性が見出され始めており動意が期待される。

 重要イベントとしては、国内では12日朝に発表される7-9月期法人企業景気予測調査、13日算出のメジャーSQが注目される。海外では前述の米8月消費者物価指数のほか、9日に発表される中国8月の消費者物価指数と生産者物価指数、10日発表の中国8月貿易収支、14日に発表される中国8月の鉱工業生産と小売売上高、中国1-8月固定資産投資に注視が必要だろう。

■日々の動き(9月2日~9月6日)

【↑】   9月 2日(月)―― 続伸、米株高や円安好感も上値は重い
 日経平均 38700.87(  +53.12)  売買高14億0154万株 売買代金 3兆3216億円

【↓】   9月 3日(火)―― 3日ぶり小反落、朝高も半導体関連が売られる
 日経平均 38686.31(  -14.56)  売買高14億5032万株 売買代金 3兆3167億円

【↓】   9月 4日(水)―― 続急落、米ハイテク株安と円高受け全面安商状
 日経平均 37047.61( -1638.70)  売買高20億0740万株 売買代金 5兆1062億円

【↓】   9月 5日(木)―― 3日続落、円高進行で半導体関連に売り継続
 日経平均 36657.09( -390.52)  売買高16億0273万株 売買代金 4兆2056億円